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時間の記録を毎日続けていると「小さな穴」を塞ぐことができる

時間の記録を毎日続けていると「小さな穴」を塞ぐことができる

大橋悦夫会社をやめてフリーランスになって以来、今年で15年目に入りました(ちょうど2000年にフリーランスになったので数えやすいのです)。

大学時代から家計簿ソフトを使って日々の収支記録をつけていたので、個人で仕事を始めてからの日々の帳簿入力(会計ソフトへの入力)も特に苦もなく始められました。

個人の収支記録を続けていたおかげで、その日の入出金はその日のうちに入力し終えてしまうのが最もラクで、従って継続がしやすいということが分かっていたので、会計ソフトへの入力についても同じく「その日のうちに」ルールが自然と定着しました。

毎日入力することで、決算資料(貸借対照表と損益計算書)がリアルタイムに更新されます。常に最新の“戦況”が把握できることで、それが仕事にも好影響をもたらしていました。

特に損益計算書は、日々の仕事の成果が現れる、言ってみればスコアボードのようなものです。仕事のやり方次第でこの数字がどんどん変化していき、そこに面白さを感じもします。まさにゲームのようです。

会計ソフトへの入力は、お金の出入りをカテゴリーごとに振り分けていく作業といえます。収入であれば、どのカテゴリーの仕事が今もっとも成果を上げているのかを知る指標になります。支出であれば、予め決めておいた、カテゴリーごとの予算の消化状況を確認できます。

特に支出の把握については、使いすぎているのであれば、手遅れになる前に手が打てるでしょう。

同じことは時間管理にも言えます。

何にどれだけの時間を使っているか?

日々の時間の使用記録をカテゴリーごとに振り分けていくことで、予め決めておいた、カテゴリーごとの予算の消化状況を確認できます。

使いすぎていれば、手遅れになる前に手が打てるでしょう。

想定以上に時間を使っているのであれば、

  • やり方を変える
  • 一部の手順をスキップする
  • しばらくやめてみる

といった対策を打つことになります。

お金と違って、時間は毎日24時間しか“入金”されません。さらに日をまたいで繰り越すことができないので、なおさら日次での厳重な管理が重要になってきます。

一日単位で時間をどのように使っているのかを把握することは、時間を本当の意味で有効に活用するうえでは欠かせないわけです。

以下の記事でも書いた通り、分単位での行動記録が必要になります。

再現性の精度は、ジャーナルの精度にかかっています。「時間単位」では大ざっぱすぎますが、「秒単位」では細かすぎて記録が難しくなるため、その間の「分単位」に落ち着きます。

例えば、今日17分かかった仕事は、明日も17分前後はかかるでしょう。

もちろん、作業手順を工夫したり、作業に習熟することで所要時間を短縮することはできるかもしれません。でも、その変化は漸次です。急に1分に縮んだり逆に1時間に膨らむことはありません。


記録を通して「穴」を見つけ出し、これを塞いでいく

アスリートは、コンマ1秒単位の記録を競い合っています。「前回よりも速く走れた!」というざっくりとした把握ではなく「前回に比べて0.3秒速くなった」という世界です。

ダイエットに取り組んでいる人なら、1カロリー単位で食事を管理することで、初めて成果が出ます。「昨日よりも抑え気味にしたから体重は減っているはず!」ではなく「摂取カロリーを消費カロリーの70%に抑えたので体重が減っている」という認識です(停滞期もあるので必ず減るとは限りませんが…)。

時間管理であれば、「前回は45分かかっていたのが、今回は30分で終えられた」という改善が実感できれば、努力の後押しになるでしょう。具体的にどのアクションが効いたのかを検証することで、よりシャープな行動が期待できます。

以上に共通する、記録を改善するための手順は、次の2つのステップです。

  • 記録を通して何にどれだけの時間(カロリー)を使っているかを把握する
  • 使っている時間(カロリー)のうち減らせる部分を見つけて減らす

見方を変えると、記録を通して「穴」を見つけ出し、これを塞いでいく、という活動になります。

穴の空いた桶で水を汲み続けていないか?

時間の記録を毎日続けていると「小さな穴」を塞ぐことができる

家計簿をつける際に「最初は1000円単位でオッケー」といったアドバイスがなされることがありますが、これに従うことは100円単位以下の支出を見逃すことになります。

1回あたりは少額でも頻度が高ければ大きな支出に化けるでしょう。それは小さな穴の空いた桶で水を汲み続けるようなもので、少しずつであれ確実に漏れ出ていきます。

アニメ作品「攻殻機動隊S.A.C. 2nd GIG」の中で、クゼ・ヒデオが革命資金を得るために使った手法のキモはまさにこの「小さな穴」でした。

孫引きになりますが、以下の記事で詳しく解説されていますので、該当箇所を引用します。

» アニメから学ぶ預金金利の賢い考え方

クゼ「1円以下の金額の事だ。端末のデータにも通常表示されない小数点以下の数字。そのわずかな何銭かの金額をネット上の口座から徴収するだけで1日数千万単位の金額になる。そいつが俺の架空の銀行に振り込まれるようプログラムを組んだんだ。金はそこから用意した。一般人は自分の口座に小数点以下の預金があることなど知りもしない」



このような「小さな穴」があいているなら、早々に塞いでおく必要があります。

気づかぬうちに時間が少しずつ漏れ出ていくのを食い止めることができ、その結果、本来使うべきカテゴリーに時間を回せるようになるからです。

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