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信頼できる脳の本を読みたい人のために

セミナーが終わったところなどで、「最近いわゆる『脳ブーム』ですが、信頼できそうもない本がたくさん出回っているような気がします。どうしたら、信頼できる本だけを探すことができますか?」というお問い合わせをひんぱんにいただくようになりました。
これは、簡単なようで難しい問いです。厳格な認知神経科学者さんなら、「巷に出回っている本の99%は信頼できない。よって買ってはいけない」と答えるかもしれません。しかし、これもどうかと思います。たいていの人にとって、脳への興味というのはそうしたものではないから、ネイチャーやパブメドばかり読んではいられない、というよりも読む暇もないでしょう。
とはいえ、「どう見てもちょっと・・・」という本もけっこう出てきているのはたしか。極端なところでは、タイトルに「脳」とはあるけれど、中に「脳の話」は一切出てこない、ということもあります。
単純に、「常識で判断する」こともできます。あまりにうさんくさい本は、そういう雰囲気があるものです。どれがそうと言うことはしませんが、うさんくさいと感じたら、その直感に従っていいと思います。
個人的には、脳についてのムックなどをお薦めします。少なくとも日本語で書かれているので読むのは大変でないし、どの程度のことが「分かってきている」のか、読めばつかみやすくなるからです。ポイントは、「●●という実験があった」というところから、「○○すれば、××になる」というところが言えるかどうかを、どう判断するかなのです。

今月読んだ本

久しぶりに、今月読んだ10冊の本を紹介いたします。今月はいろいろな意味で、収穫の多い読書月間でした。こういう月が続くことを祈ります。

脳科学者からの提案「柔らかく成長する」

ゆらぐ脳 ゆらぐ脳
池谷 裕二


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池谷裕二さんの『ゆらぐ脳』(文藝春秋)はとても変わった本です。最大の特徴は、テーマと展開がはっきりしないように見えること。とは言え対談ともエッセイとも違うので、なんとも不思議な読み物です。

共著でありながら、事実上、池谷裕二さんの論旨だけが展開されているのも、面白い特徴です。優れたインタビュアー兼ライターが、脳科学の専門家に質問し、そのやりとりの中で、脳科学の知見を解説しつつ、有益な情報を開陳するというつくりなのですが、前面に出てきているのは池谷さんだけです。

このような特徴の本書からはまるで、池谷裕二さんの「脳に関する独り言」が、一冊にまとまったような印象をうけます。

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