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今日からはじめる手帳術 第8回 「情報」と「思考」を記録する方法

北真也
前回は倉下さんが「情報」や「思考」を管理するためのツールについて紹介されていました。

» 今日からはじめる手帳術 第7回 「行動」以外の管理について 

今回はこれら「情報」や「思考」を以下の3つに分類し、それぞれ具体例挙げながらどの様に記録を行っていけば良いかについて考えてみたいと思います。

  • 外から来る情報
  • 頭の中から引っ張り出す情報
  • 今やっていること/考えていることを書き付ける



「情報」と「思考」を記録する方法

外から来る情報をキャッチする

私たちは何かを思いついたり、電話や口頭で何かを依頼されたときなどにその情報を忘れない様にメモとして残します。ただ、そこに書き留められる情報の状態は多くの場合雑多な状態で、書き留めた段階でそれが何者か綺麗に判別できない場合も珍しくはありません。

例えば、上司が自分の机にやってきて「ちょっと悪いんだけどさ、この資料のこの部分、ちゃちゃっとイイカンジに直して昼からの開発との打ち合わせに印刷して持ってきてくれる?あと、会議にも参加してね。」と言われたとします。

この口頭での依頼の中には、

  • 資料を修正するというタスク
  • 印刷して会議に持って行くというタスク
  • 開発との打ち合わせに参加するという予定

が含まれています。さらにこのままでは不明な点が多いので、アウトプットのイメージをもっと詳細にヒアリングし、印刷部数を確認し、会議の場所と時間を正確に聞き出す必要があります。

この様に外から来る情報をキャッチした場合、一旦メモとして記録を行った後に、その情報が予定なのか、タスクなのか、はたまた参考情報なのかを判定し、更に不足している情報があれば改めて情報を収集する等の対応策を取る必要があります。情報をキャッチしてから冷静にそのメモの内容を分析・対応する手法についてはまた別の機会に紹介したいと思います。

私の場合、外から来る情報をキャッチする手段は大きく分けて、アナログメモの「SHOTNOTE」、デジタルメモの「ATOK Pad」、サクッと写真メモを残す「iPhone標準のカメラ」(及びそれを一括でアップロードするPicport)の3つに分類されますが、いずれも最終的にはEVERNOTEに集約される形となります。

プレゼンテーション1


SHOT NOTE

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ATOK Pad

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Picport

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Evernote

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頭の中から情報を引っ張り出す

タスクリストにタスクを書き出すときや、何か不安があるけどその原因が分からない場合などに、自分の頭の中にある「気になること」を書き出すことがあります。先ほどのメモが外側からの情報をキャッチするのに対して、こちらは自分の内側に情報を取りに行くイメージです。

GTD(Getting Things Done)という情報管理手法には、「トリガーリスト」と呼ばれる質問集を眺めながら思いついたことを紙に書きだしていく「収集」という方法ががありますので、自分の内側から情報を引っ張り出す時にはこの手法を用いると良いでしょう。この方法は、GTDのバイブルともいえる「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」では次の様に説明されています。

私がお勧めするやり方は、心に引っかかっている考えやアイデア、プロジェクトや懸案を、一枚の紙に一件ずつ書き出す方法だ。(中略)頭の中のことを収集するには20分から1時間くらいかかるだろう。おそらく、小さなことや大きなこと、個人的なこと、仕事に関することがランダムに浮かんでくるに違いない。

私の場合、一枚の紙に一件ずつではなく、Moleskineに思いつくがままに箇条書きで書き出しています。別に書き出す先はメモでもノートでも紙でも手帳でもかまわないのですが、「収集」を行うためのツールを他の情報を記録する用のツールと明示的に分ける方が「よし、今から頭の中を書き出すぞ!」と意識のギアチェンジが出来て良いように思います。

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今やっていること/考えていることを書き付ける

作業をしている時などに、現在行っている作業やその作業に付随したメモ、その時に考えた事を残すことで、作業の脱線を防いだり、脱線してしまった作業の復帰を容易にすることができます。

心理学者のジョージ・ミラーが発見した通り、人の脳の短期記憶の容量はチャンク(ある意味単位のかたまり)を7±2個までしか保持できない為、割り込み作業などが入ってこようものなら、容易にそれまでやっていた作業内容を忘れてしまうものなのです。

作業の脱線やそれによるやり漏れを防ぐために、まずは今行っている作業内容や反省や改善案、そこで考えたことなどを”分かっていても”書き出す癖をつけるところからはじめてみると良いでしょう。

私は、割り込み作業発生時などにも元の作業への復帰がスムーズにいくように、今行っている作業をDoingリストとして手帳に書き出しています。また、思考の脱線が起き出したときに書き留めておく「脱線リスト」を用意しておくことで、思考の脱線が発生してもそれを書き出すことで何となく満足して速やかに元の作業へ戻るようにしています。

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最後に

今回は以下の3つの記録について取りあげました

  • 外から来る情報をキャッチする
  • 頭の中から情報を引っ張り出す
  • 今やっていること/考えている事を書き付ける

次回以降はこれらの情報を手帳を中心にして如何に整理/活用していくかについて取りあげていきたいと思います。

参考図書:

インプット情報の分類について詳しくはこちらをご覧下さい


GTDの教科書といえば


ユビキタスキャプチャについてはこの本の説明が一番しっくり来ます


▼編集後記:
北真也


怒濤の4月が終わり、5月の初旬はGWでゆっくりしております。毎日ランニングして、ブログ書いて、家事もして・・実に平和な日々を過ごしています。


▼北真也:
仕事術をもっとカジュアルに! わかりやすさ重視の「ビギナーズ・ハック」をお届け。Blog「Hacks for Creative Life!」と勉強会「東京ライフハック研究会」主宰。