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TC005:TaskChuteはカーナビ

By: Kārlis DambrānsCC BY 2.0


この比喩を使うのは決して初めてではありませんが、TaskChuteとはカーナビであると考えると、いくつかのことが非常にわかりやすくなります。

例えば「プロジェクト」とはGTDで言うのとはちょっと違って、TaskChuteでは「旅行」などのことを指します。もちろん「旅行」でも「出張」でも「ドライブ」でも何でも良いのですが、「目的地」とイコールではないということです。(誤解のないように付け加えますが、GTDでも「プロジェクト」と「目的地」がイコールではありません)。

カーナビの示す「目的地」が「帝国ホテル」だったとしても、「旅行」の目的全体が「帝国ホテルに行くこと」ではないのと同じです。「目的地」はあくまでも「必ず通過するべき地点」であり、それは「タスク」に相当するのです。

クルマは右へ曲がったり左へ曲がったり高速道路に乗ったりして、様々な「地点」を通過します。そのつど「タスク」が1つ終わり、いくつもの「地点」(タスク)をクリアし終え、そして家に戻ってくると1つの「プロジェクト」が完了するというわけです。

このように「TaskChuteはカーナビ」と考えてみると、改めてわかりやすくなるポイントがいくつもあります。

見積もりは当然狂う。しかし見積もることは無意味ではない

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http://bit.ly/Ak0AlQ

たとえば上図は有名なカロッツェリアのワンショットですが、ここにある「到着予定時刻」とTaskChuteの「終了予定時刻」はそっくりです。この到着予定時刻はもちろん狂いますが、だから無駄だと言われているのはあまり聞きません。

にもかかわらずTaskChuteの場合には頻繁にそういわれるのが何とも解せないわけですが、それは「自分で見積もるから正確でなければいけない」という緊張感が働くせいかもしれません。

見積もりは見積もり。機械がやろうと人がやろうと狂うに決まっています。しかし、カロッツェリアの予測が無駄ではないようにTaskChuteの見積もりも無駄ではありません。

このペースではまず間に合わないとか、かなり余裕があるということが、どんな状況でも推測できるのです。それにより、自分の体力や精神力についての計画が立てられます。運転でも急げば疲れるように仕事も急げば疲れます。

でも休めば休むほど楽かというと、そうとも言えません。すなわちペースというものを測るためには、予測をリアルタイムで把握できるかどうかが鍵になります。

割り込みは当然入り、それにはもちろん対応する

TaskChuteと割り込みも何かと話題になるので頻繁に取り上げるのですが、カーナビでルートを設定したが最後寄り道できなくなる、などということはあり得ないでしょう。それが答えです。

私や大橋さんがフリーであるということも頻繁に指摘されるのですが、全然関係ありません。どうしても不都合があるなら、カーナビを無視するように、TaskChuteも無視するだけのことです。

カーナビでルートを設定し、箱崎ジャンクションを通過することになっていたけど、道を間違って首都高に乗れなかった、ということはもちろんあり得ます。それと同じように、お昼くらいにシゴタノ!を書き上げるルートに乗るつもりだったが、実際にはネットサーフィンに明け暮れて全然進まなかったということはあり得ます。

そうしたらルートを変更します。すでに紹介したUnPlannedやPlanningなどをプロジェクト欄に記入するのは、いわばルートを再設定するための機能です。

モチベーションを支えるのは「目的」だけでは決してない

これはあまり話題にはなりませんが、モチベーションとタスク実行の関係というのは、モチベーションと運転の関係に非常によく似ていると思います。TaskChuteを使っていると、特にそう思います。

目的をはっきりさせましょう、という標語があります。そうすれば仕事のやる気につながるというあれです。たしかにそうした場合もありますが、全然そうはいかないこともよくあります。

旅行全体が楽しい(プロジェクトにやりがいがある)ということは、運転のやる気を常に高めてくれるでしょうか? そうではないと私は経験的に感じます。目的地を設定すれば(タスクの終了条件をクリアにすれば)、やる気が常に高まるでしょうか? それも違うはずです。

運転手にとってのやる気(眠くならない)というのは、同乗者の機嫌、天候、自分の体調、肩や腰の張り具合、目の疲れ具合などによって大きく左右されるものではありませんか? だとすれば気分よく運転するには、同乗者の機嫌がよく、天気がよく、体調がよく、疲れをあまり感じてないという状態が大事です。

仕事についてもおおむねこれは当てはまると感じます。だから天気はコントロールできないにしても、体調を整えてペースを安定させ、気温などに気をつけることなのです。

そのうえで関係者(同乗者)の機嫌を良好に保つためにも、旅行計画(企画プラン)を楽しいものにして、目的地(タスク)にきっちり向かっていることを示すべきでしょう。旅行計画がそもそも魅力的でない上、運転手がしょっちゅう道に迷ったりすると、同乗者の機嫌はだいたい悪化します。すると運転させられている側もふてくされてくるものです。

TaskChute2は旅行計画機能のついたカーナビ

以上の比喩でTaskChute2を「1」と比較してみると、操作性もよくなりましたが、大きく変わったのは「旅行計画機能」がこのカーナビには付加されたのです。

もとよりカーナビはカーナビですから、これに旅行計画機能までつけるべきかどうかについては賛否あるかもしれません。ですが目的地設定と1日のドライブ計画を中心に、そこから一週間の「旅行計画」までついていれば、便利なときには便利であることは間違いありません。

とにかくTaskChuteを使うにあたっての勘所は、目的地を設定(タスク作成)してはクルマを走らせる(タスク実行する)というプロセスを繰り返すことです。そうすれば行動パターンが蓄積されます。やがて見積もり精度が向上しますから、プロジェクトを完遂するためのルートの選択肢をいくつも得られるようになるのです。

これを他のタスクリストでやるのはなかなか骨の折れることなのです。ましてタスクリストなしには絶対無理といっても良いことです。少なからぬ人がある企画を厳しいといい、その厳しさは何度もやって慣れるしかないと思い込んでいます。

しかし、企画を達成するにはいくつかルートがあるのが現実で、異なるルートを選択できるようになれば、苦しさに慣れることは必要なくなるのです。そのためにルートをいくつも呈示できるカーナビをもつ必要が出てくるわけです。

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