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Evernoteに「ワークレド」を入れておく

倉下忠憲
最近マイEvernoteにノートブックが一つ増えました。

名前は「物書きノート」。「物書き」としての仕事に関係ある情報を入れておくためのノートブックです。

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このノートブックは、仕事を進める上での二つの心得を確認するために使っています。


仕事を進める上での二つの心得

仕事を進めていく上で、気をつけたいポイントや心がけはいくつもあるはずです。実地的な経験から得られたものや、ビジネス書などで発見したものなど、いろいろあるでしょう。

それらは観察してみると、二種類に分類できます。

一つは、「仕事」そのものの進め方に関するもの。もう一つが作業内容に関するもの。

例えば、時間の使い方や、プロジェクトの進め方などは前者にあたります。後者は、私の場合であれば「文章の書き方」などになります。

私はこれらを総合して「ワークレド」と読んでいます。仕事におけるクレド(ワーク・クレド)の略ですね。

これをEvernoteに保存するようにしています。

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このワークレドは毎日チェックするわけではありませんが、1週間や1ヶ月のレビューを行う際に、パラパラと読み返しています。

二つのノートブック

Evernoteを使い始めてから「良いな~」と思う言葉はできるかぎりEvernoteに入れるようにしています。

文章を書く際には「名言」を引用する場合がよくあるので、仕事を進める上でもそのストックは大変便利です。

自分で直接入力したもの、ウェブのスクラップ、本をiPhoneのカメラで撮影したものなどを、「引用・名言」というわかりやすい名前のノートブックにつっこんでいます。

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始めのうちは、このノートブック内にワークレドも一緒に入れておいたのですが、数が増えてくるとまず見返さないということに気がつきました。100や200ぐらいならまだしも、500を超えるノート数になってくると気分的に億劫になってきます。

もちろん検索して必要なものを見つけ出す際には便利に使えるのですが、「折に触れて読み返す」という感覚ではなくなってきます。

そこで、別途「自分が仕事を進める上で必要になる言葉」を厳選して、別のノートブックに移動することにしたのが「物書きノート」というわけです。そこに名言だけでなく、仕事についての自分の体験や考えたことなども合わせて保存しておくことにしました。

こうして独立したノートブックに一元管理しておくと、随分と見返し安くなります。

言葉にする、ということ

もちろん、折に触れて読み返し、その内容を想起することも大切なのですが、それ以上にこの「ワークレド」作成には意味があるように思います。

それは、「自分の言葉にする」という行為を通して得られるものです。

  • 自分の経験で得られたものを言葉にする
  • 自分の頭で考えたことを言葉にする
  • 本で読んだ内容を自分の言葉で表現しなおしてみる

なんとなくそうかな、と思ったことでも実際に自分の言葉で表現してみると、なかなか苦労することに気がつきます。これは自分の頭にぼんやり浮かんだことでも、本を読んで得た知識でも同様です。

読んだら読みっぱなしにしない、考えを巡らせたら巡らせっぱなしにしにない。

そのためには、何かしら「自分の言葉」というものを使って、それらを固定化しておく作業が必要になってくるのではないでしょうか。

さいごに

こうしたことは別にEvernoteでなくても実行できます。普段使っているノートや手帳に書き付けておいてもよいでしょう。私が仕事を進める上で日常的に使っているツールがEvernoteだからEvernoteに保存しているだけです。

なんにせよ、人は忘れゆく生き物です。「大切だ」と思えるのもは、一度自分の頭を通過させ、しかもそれを後で確認できるようにしておく。自分の頭のデキに自信がない人ほど、こうした手間をかけることが必要なのではないでしょうか。

少なくとも、私自身はその必要性を強く感じています。

▼今週の一冊:

「フリーエージェント・スタイル」という新しい働き方を紹介している本です。会社員とフリーランスのハイブリッド__プロ野球選手の契約のようなイメージ__は、これまでの働き方とはまた違った環境を与えてくれそうです。

時間の使い方などは本人次第、でも結果が出ないと給料も出ない、でも一緒に働く仲間を感じられる「場」がある。こういう働き方は異色に見えますが、実際そういうスタイルを強く望んでいる人も実は結構いるのではないかと思います。

興味深いのは本書で紹介されている一つのスタイルが、あくまで「現時点」のものだ、と捉えられていることです。そこには常にその時の状況に最適化しようという気持ちが見えてきます。

一度人と人が集まり、また参加する人も変化する「組織」の中で、常に最適解を模索し続ける。少なくとも一度ルールを決めたから、後は絶対的にそれに従わなければならない、という前例主義から慎重に距離を置く姿勢には学ぶべきことがたくさんあります。

「おもしろいことを続けるためには、ちゃんと稼がなきゃいけない」

名言ですね。Evernoteに保存しておきました。


▼編集後記:
倉下忠憲



2010年11月から楽しく使っている相棒(MacBookAir)の液晶が突然映らなくなりました・・・。この原稿は外部ディスプレイに接続して書いています。仕事は進められるものの、ノマド戦力に著しい欠落が生まれてしまいました。早急になんとかしないと・・・。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。