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3日目から習慣化までの間にあるもの

今週、シゴタノ!では継続ネタが続いていますが、継続と言えば「三日坊主」という言葉が、合い言葉のようにくっついてきます。言うまでもなく「継続ハックス」の目的は「脱・三日坊主」にあるでしょう。

脱・三日坊主に欠かせない3ステップ

いったん習慣化されてしまえば、そのことを継続するのにそれほどの苦労はいりません。問題は、習慣化以前の段階です。三日坊主という言葉も、習慣化できる前の段階で挫折する人が、いかに多いかを揶揄したものでしょう。

継続したいことが習慣化するまでは、少なくとも次の3ステップを踏むことが必須です。これを踏み損ねれば、三日坊主に終わるのは自然の成り行きと言えます。

1 継続すべきことを思い出す
2 思い出したときに、継続できる環境にいる
3 思い出したときに、継続するやる気がある

私はまず、1があまり意識されていないような気がします。家計簿をつけ続けようと思い立った日があっても、翌日以後、家計簿をつけることを思い出さなければ、三日もたたないうちにつけなくなってしまうでしょう。

このことは、勉強だろうとマラソンだろうと、貯金だろうと早起きだろうと同じです。

次に2つめ。仮に思い出せたとしても、思い出した場所が適切でなければ、少なくともそこで継続はできません。家計簿をつけようと思ったとしても、家計簿は家にあって自分は会社にいる。これでは、思い出すことに意味がありません。

そして3つめが、やる気の問題。家計簿をつけなくちゃと思い出したときに、「でもやっぱり面倒くさいな〜」ということで挫折するのはよくあることです。

この3番目を、多くの人は非常に気にしています。「意志の強さ」や「ご褒美」や「つけていればいいことがある」などと強調されるのも、そのためでしょう。けれども、この「やる気の問題」が問題になるのは、その前の2ステップをクリアした後のことです。

やる気と工夫に気を配る

継続するために、やる気は必要です。しかし唯一必要なものではないし、最も重要な要素でもありません。

継続するために最も重要な要素は、やる気ではなく「習慣化」です。ただし習慣化には時間がかかるため、その前の段階を乗り越えるために、いくらかのやる気と工夫が必要になってきます。

工夫というのは、継続したいことを、ふさわしい場所と適切なタイミングで、思い出せる仕掛けを施すことです。

たとえば家計簿は、夕食後や就寝前に一日分をつけることが多いでしょう。だとすれば、家計簿をつけることを思い出すのは、夜の自宅にするべきです。そのためには、夕食を食べるテーブルに家計簿を置くとか、夕食後にケータイのアラームが鳴るようにセットするのも、1つのハックでしょう。

それから「やる気」です。「やる気」というのは継続することを思い出したときに、それをやる気になれるということです。やる気を出すために必要なことはいくつかあるのですが、ここでは特に承認欲求と自己イメージについて言及します。

承認欲求というのは、人に認めて欲しい欲求のこと。家計簿をつけるのなら、それを褒めてくれる人に告知します。可能であればつけているところを、その人に見てもらうことです。そんなことをしても、褒めてくれるのは初めのうちだけでしょうが、そうするうちに習慣化するからそれで問題ありません。

それからよい自己イメージ。これは2007-12-04(火)に書いたリアルタイム・フィードバックの話と同じですが、それをやっている自分が好きになれるような工夫をしておくと、やる気になれます。自分の好きなデザインの家計簿を使うとか、使い勝手の良い家計簿ソフトを使うのは、この目的を果たすためです。

大橋さんが書いていたとおり、iKnowなどでピンポーンという気持ちの良い音を聞くと、そのときそれをやっている自分が好きになれます。自己イメージというのは、そのとき関わっていることに大きく左右され、それが心地良いか悪いかで、やる気に大きな影響を与えるのです。

記録をつけて習慣化

つい長くなってしまいましたが、以上のようなことが問題になるのも、習慣化以前の段階です。いったん習慣になってしまえば、工夫ややる気をことさら意識せずとも、特定の状況と時間に、定期的にやるべきことを継続できるものです。

大橋さんは記録の重要性をよく述べられますが、それは記録すること自体の習慣化が非常に容易だからです。何度も同じ記録行為を定期的に繰り返せば、すぐに記録をつける習慣がつきます。

そして、記録は継続すべきことについての記録です。つまり、記録をつける習慣を身につけるということが、そのまま記録されている習慣を継続させる原動力となるわけです。

継続すべきことというのは、ヴァラエティに富んでいます。マラソンは走る行為ですし、早起きは起きる行為ですし、貯金はお金を貯めることですし、ダイエットは食事をコントロールすることです。要するにあまりにバラバラです。

これを「記録をつける」という行為でくくってしまうことによって、どんなことであれ続けたければ、「記録をつけ続ければいい」というように、継続を規格化することができるのです。

継続には習慣化が最重要課題であり、習慣化には記録をつけること。ですから継続力のポイントは、記録にあるということになります。