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「ライフログノート」をつける3つのメリット

倉下忠憲
『情報は一冊ノートにまとめなさい』、『読書は一冊のノートにまとめなさい』に続く第三弾。今回は自分の人生を書き留めておく「ライフログノート」の作り方についてです。


近頃はEvernoteの登場で、デジタル情報としてのライフログについては認知されつつあります。しかし、具体的な事例が少ない分取っつきにくい印象があるかもしれません。本書は身近なアナログのノートを使っての「ライフログの残し方」について解説されています。


ライフログとは?

序章の中で、ライフログについてこう書かれています。

船乗りがつける「航海日誌」のように、自分の見に回りに起こったことや見聞きしたことを、できるだけそのまま記録しておくことです。

こうした「記録」を残しておくメリットについては後述しますが、私自身もかなり長い間(6〜7年)、こういったログを「ほぼ日手帳」に書き残しています。私の場合はログと内省的な文章の組み合わせで、本書で提唱されている方法とは違っています。しかし、ログを残しておく大切さについては非常に共感できます。

ちなみに、このログを取っていく行為は、『モレスキン「伝説のノート」活用術』で紹介されている「ユビキタス・キャプチャー」にも通じるものがあります。以下は「モレ本」よりの引用です。

これをノートに置き換えてみると、ノートのページに単なる情報だけでなく、記憶そのものを置いていくことに対応します。そのときどきの出来事やタスクはもちろん、そのときに何を感じていたかといった「感情」の記憶も再生可能な形で書いておくのです。

実際にどんな記録をどんな形で残していくかについては、少しずつ形は違っていますがある種の共通的な要素を見いだせます。それは「積極的に記録を残していこう」という姿勢です。

その裏には、ぽろぽろと手元からこぼれ落ちる砂のように人生というのは少しずつ失われていくもの、という認識があるのかもしません。一度地面に落ちてしまった砂は、どれが「自分が持っていた砂」だったのかを判別することができなくなります。人の記憶にも似たものがあるかもしれません。

それを少しでも食い止めるために、ライフログを残しておくわけです。

ライフログノートの作りかた

これは本書のメインテーマであるので、簡単に紹介するにとどめます。

まず、このシリーズに共通している「一冊のノートにまとめるルール」をひいておきます。

  • 一元化
  • 時系列
  • 牽引化

一冊のノートに、時系列で書き込み、ノートを書き終えたら牽引を作る、というのがこのルールです。非常にシンプルでわかりやすいルールです。この「一冊ルール」を元にしてログを残していきます。

「ライフログノート」の最大のポイントは「済んだこと」を書いていくという事でしょう。手帳で管理する「予定」ではなく、あくまで現実的に起きたことややったことを中心に書いていくという事です。

それに対し、「ライフログノート」には、今済ませた行動、今買ったもの、今読んだ本、今聞いた話など、「過去のこと」を書いていきます。

これが、普通の手帳とライフログノートとの一番の違いと言えるでしょう。「未来」ではなく「過去」を記録していく、それがログです。そのログこそが理想の自分ではなく現実の自分の姿を写すものになっていくのでしょう。

実際にライフログノートをどう作り始めればいいのか、何を書いたらいいのか、どう習慣づければよいのか、そして効果を発揮させるためにはどうしたらいいのか、については本書を直接参照してみてください。始め方の手がかりがきっと見つかると思います。

ライフログをつける事のメリット

こういったログを取っていくことにはどのようなメリットがあるでしょうか。一つは将来において過去の記憶を再現できることです。それ以外にも二つメリットがあると思います。

アンテナ感度を上げる

「ライフログノート」を残す習慣を続けていくと、日常の細部に目が行き届くようになります。Blogを更新していると、どんな行動でも「ネタ探し」になってしまう、というのに似ているかもしれません。

人間の脳は基本的に「見たいもの」しか見ないようになっています。ログをつけるようにしていると、その「見たいもの」の範囲が広がるのかもしれません。つまり、ノートに書くものを自分から探す、あるいは日常的に目につきやすくなるという事です。

このようなアンテナ感度のアップは、差異を見つけたり、新しいものを発見しやする手助けになると思います。

検証と修正が行える

「検証」というとやや大げさですが、書き残したものを見返すことで新しい発見を得ることができます。重要なのは発見そのものではなく、そこから行動の修正が起きる場合がある、ということです。

例えば、ブログの更新とそれにかかった時間を記録していたとします。

  • 月曜日:Blog更新:34分
  • 火曜日:Blog更新:38分
  • 水曜日:Blog更新:36分
  • 木曜日:Blog更新:32分
  • 金曜日:Blog更新:38分

これを見ると、一日あたり30分〜40分で更新できている事がわかります。数学が好きな人ならば平均35.6分で更新できているな、と考えるかもしれません。これが「発見」です。すると次から、35分で更新しようと思うかもしれません。あるいは30分以内に短縮してやろうと考えるかもしれません。こういう「発想」は記録をつけていないとまず出てこないものです。

Blogの更新はあくまで一例です。食事・体重・学習・読書など日常行動のログを残しておく事で、新しい発見とそこからの行動の修正を行えることがあります。

さいごに

「息を吸うためにはまずはき出すことだ」という言葉があります。記憶にもそれと似たことが言えるのではないでしょうか。ノートに自分の記憶を預けていくことで、新しい記憶を呼び込むことができるような気がします。

今回は「ライフログノート」をつけていくことの三つのメリットを紹介しました。

  • 過去の記憶を再現できる
  • アンテナ感度が上がる
  • 検証と修正が行える

これらのメリットは確かに重要です。しかしもっとも大切な事はログを取っていく事そのものを楽しむ事です。「ノート作りを楽しむ事」。これはノート作りにおける通奏低音のようなものかもしれません。

▼参考文献:

100円ノートを活用して、情報をすべて一冊のノートの書き込む。情報整理の方法とノートカスタマイズについて。

上の本の「読書活用」バージョン。本に関するさまざまな情報も一冊のノートでまとめる手法。

モレスキンを使った「ユビキタス・キャプチャー」について。実際モレスキン以外でも使えるノート術満載。今回紹介した本と通じる部分も多いので気になる方はチェックを。

▼編集後記:
倉下忠憲
イベント周りがようやく一段落して、いよいよ本腰を入れて執筆という環境に移行しつつあります。

「本腰」なんて入れないで、日常的にポチポチタイプできたら一番効率良いんですけど、なかなかそうはいきません。結構「環境作り」が重要だなと意識する日々です。最近読みたい本がラッシュで発売されているのもまた困りものです・・・。

 
▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。