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瞬間から永遠へ。Twtr2src でツイッターのつぶやきを保存して活用する

堀 E. 正岳

ツイッターのつぶやきは一瞬一瞬の「瞬間」を捉えたものです。そして Evernote は Ever という言葉からもわかるように記憶を「永遠」に留めておくためのものです。一見この二つは交わらないようにみえますが、永遠とて瞬間の積み重ね、二つをつなげてみることで思わぬ活用方法があります。

ツイッターのタイムラインをブログ状にしてログを表示したり、CSV データとしてダウンロードしたり、特定のメールアドレスに送信するという機能を提供するサービス Twtr2src にこのほど Evernote 連携機能が追加されました。

一見地味にみえるこのサービスから、「自動でノートを作成してゆく」という Evernote のもう一つの楽しみ方が見えてきます。

Twtr2src の導入

Twtr2src を利用するには、まず取得したいと考えているアカウントを連携させる必要があります。「Twitter にサインイン」と書かれているボタンから、アカウントの OAuth 認証をすませておいてください。

あとは、このアカウントのつぶやきをどのメールアドレスに送るのか、あるいはどの Evernote アカウントに送るのかという設定をおこないます。

1. メールの自動投稿の場合: 送信したいメールアドレスを入力すると確認番号が届きますので、それを利用してTwtr2src にメールアドレスを登録します。このアドレスに Evernote のアドレスを登録するのが従来の Evernote との連携方法でした。

2. Evernote の場合: こちらが新しく登場した機能で、Twtr2src 上からEvernote にサインインして、1年間のアクセスを許可します(なんだか承認ページの翻訳が変ですが…気にしないでおきましょう)。

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次に、Twtr2src から送られるノートがどのノートブックとタグで保存されるのかを設定します。タイムゾーンを指定することで、一日の区切りをどこに置くかを指定することも可能になっています。

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あとは待っているだけで、午前 0 時に登録ユーザー順にノートが送信されてきます。

利用方法1:毎日のつぶやきをとらえる

もちろん Twtr2src のもっとも簡単な利用方法は、単純につぶやきのバックアップとしての利用方法です。登録をしておけば、なにも考えることなくつぶやきが記録されていきますので、タグ、あるいはノートブックであらかじめ置き場所を指定しておきましょう。

設定の「フォーマット」タブを利用すればタイムラインの並び順、表題、ヘッダとなる文字列を指定できるだけでなく、@返信を含まない、画像を表示するといった指定をおこなうこともできます。

利用方法2:会議やイベント中継などのログ保存に

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最近ではイベントなどで「公式アカウント」から中継つぶやきをおこなうことも珍しくなくなりました。Hootsuite などのサービスを利用して、チームで同じアカウントからつぶやくこともできます。つまり、同じ会場の違う視点、あるいは違った担当者のつぶやきを一つのタイムラインとして提供することができるのです。

ハッシュタグが「発言者の個性を残す」イベントの集約方法とするなら、公式アカウントは「複数の人を一つの声にまとめる」という集約方法で、利用の仕方が異なるわけです。

Twtr2src の利用方法は個人と考えることが多いかもしれませんが、こうした公式アカウントをまとめるために利用すると便利です。複数のアカウントにクロスポストできる TweetDeck のようなクライアントを利用して、「本人のアカウント + 公式」といったつぶやきのうち、公式側だけを保存するということもできるわけです。

利用方法3:ToDoメモに

先ほどの設定画面に「ToDo ハッシュタグ」という欄がありましたが、これが Twtr2src の Evernote 連携のもう一つの機能です。ここに任意のハッシュタグを入力しておくと、そのハッシュタグを含んでいるつぶやきに Evernote のチェックボックスが追加されます。

これは Egretlist のように自動的にチェックボックスを集約して ToDo リストを作成するアプリとの連携にはもってこいとなります。

Twtr2src につぶやきが拾われるためにはつぶやきを公開にしている必要がありますので、これを日常のタスク管理に利用できるわけではありません。しかし、「宣言」リストを作成したり、「あとで連絡するよ」という類のつぶやきに実際 ToDo チェックボックスをつけるといった利用方法があります。

まとめ

以上、駆け足でしたが Twtr2src の基本と応用までをまとめてみました。手作り感満載で、これからもなんだか新しい機能が追加されそうな期待を感じさせる Twtr2src ですが、開発をおこなっている @ogaogaは先日の Evernote イベントでお会いしたところ、どうやら新機能などのアイディアを広い心で受けて止めてくナイスガイですので、ぜひ @twtr2src まで寄せていただけるとよろしいかと思います。

こうした「ウェブの接着剤」のようなサービス、自分も作ってみたいですね。Evernote と連携したサービスに頭を巡らせてみましょうか。

今週の本

最後に手で原稿用紙1枚分以上の文字を連ねたのはいつですか? 最後に横書き以外の方向で書いたのはいつですか? 人によって様々でしょうけれども、ほとんど手で書くことがない、縦書きで書くことがないという人も多いはずです。それが悪いと言ってるわけではありません。ただ、それが普通になったということです。

キーボードやタップで入力し、考えることをする私たちは、その一方でどのような世界と袂を分かつことになったのでしょうか。その一端を教えてくれるのが書家、石川九楊氏の『筆蝕の構造』です。

本書では「書く」ということはモニターの上でも、紙の上でも同じ「文字」が書いてあれば同じ事なのではなく、「筆蝕」という痕跡を残す行為だという視点で手書きの文字がもつ独特の重みを読み解いてくれます。

そうはいってももう日常的にペンで仕事をするわけにはいかない私たちですが、キーボードに指を走らせるときとモレスキン手帳に文字を書き込むときの違いを意識することで、言葉への敏感さを少しでも取り戻すことができます。

書くことは好きですか? それならまずこの本を読まなくては。


▼編集後記:
堀 E. 正岳
おかげさまで大変好調な『モレスキン 「伝説のノート」活用術』の刊行記念の一環で、「モレ本出版記念 モレスキンファンミーティング」が開催されることとなりました!

モレスキンファンのミーティングということになっていますが、実際は文具サミットといってもよいゲストの充実ぶりです。文具王の高畑正幸さん、文具コンサルタントの土橋正さん、ノート本「『結果を出す人』はノートに何を書いているのか」の美崎栄一郎さん、と、こちらがたじたじになりそうな皆様です。

しかし案ずる事なかれ。モレスキン本の共著者であるモレスキナリーの Yoko さんが急遽このイベントのためにイギリスから帰国されて私と一緒にステージに立ちます。

文具や手帳が大好きなみなさん、ぜひ 10/25 の予定は空けておいてください!



▼堀 E. 正岳:
Evernoteエバンジェリスト。「Evernoteハンドブック」の執筆や「Evernote日本語掲示板」のモデレータを通して、愛してやまないEvernoteの育て方を伝道中。Lifehacking.jp主宰。