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こんな人が『仕事の未来を作る』フリーランスに向く~2つのチェックポイント

ユウコ
前回の記事「しぶとくフリーランスをやっていくために、会社にいながらしたい下準備 」にて、会社にいるうちにやっておいたほうがいいアレコレをご紹介しました。

実はこれ、読み替えると会社員からフリーランスに転身した場合失うものとも言えるんですよね。信用や会社の看板、受け身の人脈構築、さらに言えば保険関連など会社員が断然優遇されているセーフティネットをすべて棒に振るということです。

ここまで散々「フリーランスって信用ないよー保証薄いよー」と怖い話ばっかりしてきましたので、もしかしたら「新井はフリーランスになって後悔しているのか」とツッコミをいれたくなってくるかもしれませんが、その答えは「まさか!とんでもない」です。少なくとも私にとっては、フリーランスという生き方が特別あっていて、手探りで進む毎日が(手探りだからこそ)本当に楽しいのです。

というわけで今回は、「フリーランスってこんな人に向いているよ!」というはなしを『本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本』のなかの『仕事の未来をつくる本』から、引用を拝借しつつお伝えしたいなと思います。

本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本
内沼 晋太郎
朝日新聞出版 ( 2009-03-19 )
ISBN: 9784022505460
おすすめ度:アマゾンおすすめ度

1.「自分のやりたいこと」は「お金をもらうこと」か?

ぼくにとって「自分のやりたいこと」は、「お金をもらうこと」ではありませんでした。いや、もちろんお金も欲しいんですよ。でも、それが「やりたいこと」かといわれると、そうじゃない。むしろお金儲けには違和感のようなものさえある。「じゃ、何?」と問い詰められると、世の中に広めたいようなものもないし、世界中の人を救うようなスケールのこともイメージできない。自信をもって「これこれこういうことです」といえるようなものがないまま、ずっと悶々としてきました。(P10)

フリーランスとしての生き方が自分にあうかあわないか考えるうえで、上記の一文はとても秀逸な試金石だと思います。言い換えるなら「人生を生きていく上で、お金を稼ぐことがあなたにとってどれくらい大切なことなのでしょうか」という問いかけです。

既に天職を見つけている方はもとより、「お金が一番大切!」という方にはフリーランスとしての生き方をまったくオススメしません。企業の中で成績を上げのし上がっていくほうが、アルバイトで目一杯働くよりよほど給与が上がりやすいと思います。また一部の、本当に一部のトップランカーをのぞいて、フリーランスは富豪になれないし、ならないものです。

フリーランスをやっていて成功してお金をがっぽがっぽ稼ぐと、税金の関係でたいていのひとは会社を作りその中に帰ってゆくようです。どっちみち金を稼いだら会社になるのです。少なくとも私の知る限り、どの企業にも属さずやっていく本物の一本槍のお友達は、ゆるくふわふわした生き様に満足していたり、あるいは必死に全国をかけずり回りながらもそれを楽しんでいる人たちばかりです。

反対に、先ほどの引用に強く共感を覚えた方は、ちょっとだけフリーランスという生き方を考えてみていいのかもしれません。もちろん、今すぐにフリーランスに!と勧めているわけではないんですよ。前回お話したみたいに、フリーランスにはデメリットも多いですし。自分の気持ちや、身の回りの環境を考えてみたら、社員という安定した生き方のほうが魅力的にうつるというのも、まったくそのとおり。

でも、もし「自分実はお金とか、割とどうでもいいんだけどなー。生活していければそれでいいな、特に金のかかる趣味もないしなあ。今やっている仕事も、自分がやりたいこととはちょっと違う気がするんだよな」

胸の内でこんなふうに感じているとしたらフリーランスの素質有り、です。

私の場合を例に挙げさせて頂くと、仕事に対するスタンスは常に断然後者です。私はPCとデジタルガジェットとネットが身近にあればOK、という人間なので、最低限必要な生活費(+通信費)、年に数度買うガジェットの購入代金がまかなえればそれで十分、お腹いっぱいです。

私にとってお金以上に大事なのが「経験値」です。どこかで誰かに会うとき、私は新たな学びが欲しくてそこに出向きます。どこかの会社に一時的にお伺いしてお仕事のご依頼を頂くときも、「私はこの仕事を通じてこんなスキルが伸びそうで、とても楽しみにしています」ということをそれとなく伝えます。

自分が新しい能力を手に入れつつあると感じる仕事はとても楽しいものですし、逆に学びがない場所には全く魅力を感じません。お金以上に大切なものが私にとっては経験値や情報です。それを吸収して、さらに誰かに面白おかしく話すことがライフワークであり、デジタルガジェットを使いこなして楽しむのと同じくらい特別楽しい趣味なのです。

あなたの価値観はどんなふうでしょうか。仕事とお金は切っても切り離せませんか? それとも、特別金持ちじゃなくてもいいから、仕事とお金の調和を見出したいですか? もしあなたが後者なら、今後の身の振り方として、フリーランスという生き様も選択肢のひとつに加えてみてください。

2.お金がないことを楽しめるか?

またお金の話かよーと思われるかもしれませんが、勘違いしてあとで苦労しないためにもしつこく言っておきます。独立したばかりのフリーランスは大体儲からない+信用ない+保証薄いってホントに!

貧乏時代を体験していることは、自分の中でとても大きいです。いつでもその生活に戻れる、という実感があると気持ちに「余裕」が生まれて、何でも試してみようという気になります。(P65)

ちょっとこっぱずかしい話をさせていただくと、私には3人の妹、弟たちがいます。食い扶持が多めな分、学生時代べらぼうに裕福な家庭ではありませんでした。ごはんに事欠くほどではありませんが、家に帰ったら食べようと思っていたお菓子がなくなっていたり、夕飯のおかずを取り合うなんていうのが日常茶飯事。おもちゃをねだると「我慢しなさい、お金ないんだから」なんてお母さんは平気で口にしていたっけ。

そういうわけで、欲しくても手に入らないものが小さいころには色々ありましたが、それが逆によかったな、と今更本当に思っています。むしろ、昔裕福だったら、自分がどうなっていたのかなあ、今よりずっとわがまま人間に育っていたかもしれないな、なんて怖くなるくらいです。

先の引用のように、貧乏に慣れておくと「何かにトライして、そのあと失敗しちゃっても別に何ともないや、また普段の生活に戻るだけだし」と感じて身軽に動けるようになります。さらに商品を見る目が厳しくなり、コストパフォーマンスに対する嗅覚が鋭くなるという効果もあって、私は、お金がなくても悪いことなんて何もない、素晴らしく貴重な体験が出来たと思っています。

さらに言えば、反対に、お金を持っていることも一概に幸福と言い切れないかもしれませんよ。お金を持っている人はお金がなくなるのが怖くて溜め込むでしょう? 溜め込んでいるうちは貧乏になれないんだから、いつまで経っても「このお金がなくなったらどうしよう」という不安から逃れられない。見方の問題ですが、これはこれで大変なことです。

お金があること、ないことについて、ストレスの感じ方は人によりけりです。あなたは、お金がないことを嘆きますか? それとも、なくても平気ですか? ついでにないことを楽しんで家事や節約に楽しみを見出せたなら、さらにフリーランス向きです。

以上、ふたつのチェックポイントでした。いかがだったでしょうか? 既に独立開業本を何冊か読まれている方にとっては、既知の情報も含まれていたかと思うのですが、改めてフリーランスとして体感してみて強く実感していることを書いてみました。

 
まとめると、

  • 今の仕事に満足している人、お金が欲しい人はフリーランスよりキャリアアップして転職オススメ!
  • 貧乏が怖くて胃潰瘍になりそうな人はフリーランスダメ、ゼッタイ。

となります。今後の職業選択の参考になれば幸いです。自分がもっとも楽しめる人生を!

 

本の未来をつくる仕事/仕事の未来をつくる本
内沼 晋太郎
朝日新聞出版 ( 2009-03-19 )
ISBN: 9784022505460
おすすめ度:アマゾンおすすめ度