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トップ > シゴタノ! > 「仕組み」を理解し「やり方」を覚えたところからが本当のスタートであり、繰り返し舞い戻ることになる永遠のスタートとなる






大橋悦夫40代にに突入して久しいですが、昨年読んだ『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』という本を読み返していたら「あ、まだこれブログに書いていなかった」というくだりがあったので書きます。

仕事の場合は、メインは必ずしも一つとは限りません。また最初に前菜から食べる必要もないでしょう。メインから始めてもいいはずです。

ただ、仕事の見積もりをする上では、今日一日の仕事で何がメインなのかを最初に考え、それをこなすことが今日のミッションという意識を持って、その他の仕事をサブとして組み合わせる必要があります。

仮に中断せざるを得ないことがあったら、その際はサブを切り捨てて対処することです。その日の最大のミッションであるメインを決してやめてはいけません。

そしてメインとなる仕事は、一つとか二つなど、まずは数を制限することがポイントだとEさんは教えてくれました。じっくりシングルタスクとしてやるための、まとまった時間を多く確保することが理想的ですが、それが難しい場合は、メインの数を減らして、そこに集中するようにしましょう。

「ははあ、確かにそうだな。よし、やってみよう!」と思える内容です。

しかし、実際にやってみようとするとその通りにはできないことが少なくありません。

やってみようとするならまだましで、本から離れたところですっかり忘れていつものやり方で仕事に没入し、再びこの本に戻ってきたときに「あ、まだやってなかった…」となることの方が多いかも知れません。

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なぜ、やってみようとしないのか?

せっかく「よし、やってみよう!」と奮起したのに、実際にはこの「やってみよう」が履行されることがあまりないのはなぜか?

忙しさのあまり忘れてしまうということもあるでしょう。でも、完全に忘れているということは実はほとんどなく、頭の片隅で微弱な電流が流れるかのようなレベルで「さっき読んだ本に載ってたあれ、今やってみようか?」という信号は感じているはずです。

でも、その直後に「いやいやいや、そんなこと試している場合ではないでしょ!」という強烈な電磁波が発生し、この生まれたばかりの微弱な子鹿もろともすべてを押し流してしまうのです。

「制御システム」ができるあがるまでは何度も死ぬ

以下の記事でも書きましたが、中学時代はゲームセンターに足繁く通い、いわゆるシューティングゲームに打ち込んでいました。

» 「ミスを犯していない人間」と「ミスを犯さない人間」

その昔、ゲームセンターに足繁く通っていた頃、シューティングゲーム(例えば、グラディウス)で、一度も死なずに最終ステージまで到達、その後もえんえんとプレイし続けるゲーマーの周りにはギャラリーができていたのを思い出す。

自分でも、いくらつぎ込んだかは忘れたが、とにかく1つのゲームをやり込んだ。やがて先のゲーマーと同じように最初にコインを入れれば、1時間以上ずっと同じゲームをし続けることができるようになり、ギャラリーに囲まれるようにもなった。

言うまでもなく、そうなるまでに何度となく“死に目”に遭い、様々な“死に方”を経験し、パターンに習熟したからこそ、“死ななくなった”。

死ななくなるまで繰り返すことができれば、当然のことながら、生き残れるようになります。

ただ、これだけではあまりにも根性論に過ぎるので、もう少し救いのある概念をご紹介します。『学びとは何か』という本に出てきた「制御システム」という言葉がこの生き残りの仕組みを極めてクリアーに解説してくれています。

あるスキルを覚えて間もないときには、ほとんどの情報処理をスキル共通の制御のネットワークで行うしかない。

何に注意を向けたらよいのかがまだよくわかっていないので、雑多な情報に注意を向けなければならないし、ネットワークがそのスキル向けに調整されていないので、情報処理の負荷がとても大きい。

何度も繰り返し行うことにより、そのスキルに特化した記憶がそれにかかわる脳の様々な場所に貯蔵されていく。そしてそのスキルだけに向けてチューニングされた制御システムがつくられるようになる。

それによって、そのスキルを実行するときにそれまでの学習によって脳の各部分に蓄積されていた記憶が自動的に素早く取り出し可能になるのだ。(p.124)

この「そのスキルだけに向けてチューニングされた制御システムがつくられるようになる」ことで「死ななくなる」わけです。

システムの階段を踏み外すと、また死ぬ

とはいえ、システムができあがっても、すなわち対象となるスキルを完全に習得した後でも、その手順を少しでも意識すると途端にうまくいかなくなります。

僕はこれを「システムの階段を踏み外す」と呼んでいます。階段を昇っているときに「あれ、次は右足を出すんだっけ? 左足?」などと考えた瞬間にコケそうになりますが、あれに似ているからです。

システムの階段を踏み外さないようにするには、システムを完全に信頼するほかありません。

↓まさに以下の記事で書いた通りです。

» 集中するには覚えておかなくてもいいことを完全に頭の外に追い出すこと

上記の仕組み(機械)を採り入れても、その効用を最大化するには人間の側でも歩み寄りが必要です。

具体的には、仕組みに全幅の信頼を置く、ということです。

「リマインダーはセットしたけど、一応自分でも時間は気にしておこう」ではなく「リマインダーをセットしたから、あとは心おきなく100%目の前の仕事に没頭しよう」となって初めて仕組みが全力でワークすると言えるからです。

だからこそ、

» 毎日同じタイミングに同じ順番で同じことを繰り返す効用

…がありますし、これを続ける理由は、

» 毎日を可能な限りパターン化しないと、身がもたない

…からです。

まとめ

意識している限りは身につかず、意識するのを忘れた頃には身についていることに気づかない。

これは「システム」の“仕様”なので、このことだけは忘れないようにするしかありません。

このことを教えてくれるのが『「自分」が伝わる声ヂカラ』という本の以下のくだりです。これを読み返すことで「難なくこなせるようになると、無難にこなし始める自分」を戒めています。

昔、あるアーティストのサポートコーラスとして、全国ツアーを回った時のことです。20本、30本と公演をこなすうちに、だんだん慣れで歌うようになっている自分に気がつきました。

楽しそうな顔をして、元気いっぱいのふりをして、一所懸命歌っているように見せかける……。そんな毎日の繰り返しに飽き飽きしていたうえに、旅つづきで生活が不規則なくせに毎日のように飲んでいたので、カラダもくたくたでした。そうしてある時、自分の歌がすごく雑になっていることに気がつきました。

毎日気のない声を出しつづけているうちに、自分の感性のレベルや声の基準値が下がつていたのです。

その時、父にに言われたことを思い出してはっとしました。

「芸というのは恐ろしいもんだ。慣れでやってるうちに、だんだんと自分の芸が荒れてくる。いちばん怖いのは、それに気づかなくなっていくことだぞ」

何十回と同じ公演をする私たちにとって、1曲1曲はライブの一連の流れのなかの通過点でしかないけれど、その日初めて来たお客さんにとって、それは待ちに待った1曲かもしれない。その曲の、そのフレーズを聴くために、何日も前からチケットをとって、楽しみにその日を待ちつづけたのかもしれない……後悔すると同時に、自分が恥ずかしくなりました。父の言葉は私の目を覚ましてくれた経験です。

 

参考文献:

» 40代を後悔しない50のリスト【時間編】[Kindle版]


» 学びとは何か-〈探究人〉になるために (岩波新書)[Kindle版]


» 「自分」が伝わる声ヂカラ[Kindle版]




▼「タスクシュート時間術」の新着エントリー

» 「タスクシュート時間術」の記事一覧

07月08日(土) プロジェクトを進めるための“記録”の活かし方

タスクカフェ
今回のテーマは、

プロジェクトを進めるための“記録”の活かし方

です。

前回に引き続き、プロジェクト管理について掘り下げます。
前回の続きですが、今回初めて参加する方にも優しく解説します。

タスクカフェ講師の1人、佐々木正悟はこれまでに50冊以上の書籍を執筆していますが、一度たりとも原稿を落としたことがないと言います。つまり、締切に遅れることなく、1冊分の原稿を仕上げているのです。

これは、たとえて言うなら卒業論文を50回連続で期限までに提出しているようなものです。

書籍の執筆という仕事は、一冊ごとにそれぞれにテーマも背景も事情も異なる、言わば定型化しにくいプロジェクトです。もちろん、50回も繰り返していれば、その勘所は押さえられるがゆえに、初めて本を書くという人に比べて圧倒的に効率よくスピーディーに進められるということはあるでしょう。

前回は、実例をまじえながらこの勘所についてお伝えしましたが、今回はその中でさらりと触れられるにとどまった「記録」の活かし方について掘り下げます。

プロジェクトを進める中においては、「次にするべきこと(ネクスト・アクション)」や「気になっていること」、「ある期日までは忘れていても良いこと」など、さまざまな情報が断続的に発生します。これに加えて、「今日はどこまでやったのか」といった作業記録も絡んできます。

これらの情報をどのように整理し、どの程度のレベルで記録に残していけばいいか。そして、残した記録をどう活用すればいいか。具体的な実例をまじえて詳しく解説します。

特に、見通しの立ちにくい仕事になかなか着手できずにお困りの方はぜひご参加ください。

好評いただいている個別相談の時間もご用意していますので、知識としては理解できているとは思うものの、なかなか実践に結びつけられず苦戦している、という方は、ぜひこの機会にブースターとしてご活用ください。


本日時点で、残り1席ですので、ご検討中の方はお早めに。

» 仕事を予定どおりに終わらせたい人のための「タスクカフェ」@渋谷


「タスク管理トレーニングセンター」のご案内


タスクカフェは東京(渋谷)でのみ開催しているため、地理的にご参加が難しいという方、あるいは日程的に厳しいという方もいらっしゃるかと思います。

そこで、オンラインコミュニティ「タスク管理トレーニングセンター」を開設しました。


▼タスク管理トレーニングセンターとは?

「タスク管理トレーニングセンター」は、タスク管理にまつわる以下のような課題に取り組みます。
  • いろいろな本を読んだりセミナーを受けたが自分なりの方法が確立できていない
  • こちらの業務環境や状況に合わせて客観的なアドバイスをして欲しい
  • 誰に質問していいのか分からない
  • どのツールが自分に合うのかが分からない
  • TaskChute2で「こういうこと」をしたいが方法が分からない
  • たすくまで「こういうこと」をしたいが方法が分からない
  • TaskChute Cloudで「こういうこと」をしたいが方法が分からない
  • この使い方で合っているか不安
  • もっといいやり方があれば教えて欲しい
  • 他の方とタスク管理に関する課題を共有したい
これらの課題の解決のために以下のようなメニューをご用意しています。
  • タスク管理アプリの開発者とタスク管理のエキスパートがあなたのご質問にお答えします
  • 一般非公開のコミュニティで他の参加者の方と課題を共有できます
  • タスク管理の考え方・やり方の理解を深めるためのレクチャー動画をご覧いただけます

ご質問にお答えするのは、TaskChute開発者の大橋悦夫、たすくま開発者の富さやか、TaskChute Cloud開発者の松崎純一、そして、タスクシュート歴10年の佐々木正悟の4名です。

また、毎月のタスクカフェのレクチャー内容を動画で公開しています。

これまでにお答えしているご質問や現在公開中のレクチャー動画については、以下のページにて詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

» タスク管理トレーニングセンター
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タスク管理ツール・TaskChute2


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