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発想における〈頭の使い方〉がわかる一冊



倉下忠憲2012年6月30日に発売した以下の本が、電子書籍になりました。

» Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術[Kindle版]


紙版の発売の際、次のような記事を書いています。

» 新刊告知 「Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術」

あまり「今日読んで、すぐなんとかなる」タイプの本ではありません。できるだけじっくり読んでもらうタイプの本です。

おそらくそのせいなのでしょう。この本は五年経った今でも、十分に「現役」です。たとえこの世界からEvernoteというものが消え去っても、面白く読めるはずです。

本書のエッセンス

本書は、過去のさまざまな発想本の知見を参照しながら、そこに現代的な技術を結びつけて、発想における〈頭の使い方〉を提示しています。エッセンスをピックアップすれば、

  • 発想行為の天才性の否定
  • 発想というプロセスの分解
  • 記録として蓄積する効果

あたりになるでしょう。

まず、発想は誰にでもできることです。脳を有しているならば、スタートラインには立っています。しかし、上手い下手はありますし、熟練の度合いの違いもあります。でも、それだけの違いでしかありません。ある種の頭の働かせ方に習熟すれば、発想は極めて身近なものとなります。

では、それはどのような頭の働かせ方なのか。本書では一般的に「発想」として一括りに扱われる行為を、着想・連想・整想の三つのプロセスに切り分けました。行為としては一連でも、思考の方向性がそれぞれ違っているからです。

さらに思考には材料となる記憶が必要なのですが、記憶だけだと心許ないものがあります。それをサポートするのが記録です。記憶を記録として冷凍保存しておくことで、さまざまな料理が行えるようになります。デジタル・クラウドの登場で、そのような記録が一ヶ月や二ヶ月というレベルではなく、数年という単位で蓄積できるようになりました。すばらしい恩恵です。

つまり、思考法としての頭の働かせ方と、記憶と記憶の使い方としての頭の使い方。それが本書のコアとなります。

もし、発想法、あるいは発想という行為に興味があるなら、ぜひ手にとってみてください。

おまけの話題

ちなみに本書は、以下の本でも参考文献に挙げて頂いております。

» アウトライナー実践入門 ~「書く・考える・生活する」創造的アウトライン・プロセッシングの技術~[Kindle版]


» 勉強の哲学 来たるべきバカのために (文春e-book)[Kindle版]


どちらも考えること(≒頭の使い方)を扱っている本なので、合わせて読めばよりいっそう楽しめるかと思います。

» Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術[Kindle版]


▼編集後記:
倉下忠憲



6月、6月ですよ。いや〜、今月末までに電子書籍の新刊を一冊上梓しながら、かーそるの編集も進めていくなんて、ほんと大丈夫なんでしょうか。まあ、大丈夫だとは思いますが。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。


» ズボラな僕がEvernoteで情報の片付け達人になった理由