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倉下忠憲

» 前回:疑問を持つこと | Aliice pentagram



前回は、知的作用の第一要素である「疑問を持つこと」について考えてみました。今回は、第二要素である「観察すること」について書いてみます。

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観察に潜む知的作用

「観察すること」が知的作用である、というのは少し違和感があるかもしれません。単にものを「見ている」だけの状態には、知的作用が発生している感じがしないものです。

たしかに、「目に入る」のは受動的な状態であり、そのままでは知的作用はないかもしれません。しかし、「見る」は、能動的な行為です。意図的に、注意を向けて、何かからインプットを行っているのです。ここに知的作用が発生しえます。

そのことをよりはっきりさせるために、「見る」ではなく「観察する」という言葉を当てました。能動性の中には、主体者の何らかの要素が必ずといっていいほどにじみ出てきます。それが知的作用の一部を為すのです。

破片の違い、ナイフの違い

二人の人間がいたとしましょう。それぞれが同じ対象に対峙したとしても、そこに何を「見る」のかは、少なからずの違いがあるはずです。その違いを生じさせるのが、知的作用です。

大きな塊があり、そこからナイフで破片を切り取る。その破片の大きさや形は人によって違ってくるでしょう。そのナイフと、ナイフを扱う手つきが知的作用です。

具体的には、

  • どこを見るのか
  • どのように見るのか
  • どんな観点で見るのか

といった違いがありえます。

以上のような違いは、一般的にはセンス(感覚)といった言葉で処理されがちですが、実際はそれぞれの脳が持つ情報処理の傾向であり、トレーニングすれば発展する余地は十分にあると想定できます。

たとえば、対象を定量的・定性的に検分していく行為は、「分析」と呼ばれますが、これも観察の一部です。「因果関係を見定める」という行為もまた観察です。現地に直接赴いて情報を集める「フィールドワーク」も、もちろん観察です。これらの行為はそれぞれで小さな知的生産であり、より大きな知的生産の構成材料となりえます。そして、これらの観察的行為を、学問を志す人間は学んでいくのです。その他の観察的行為も同様に学びうるでしょう。

ニワトリとタマゴ

観察することと、前回紹介した疑問を持つことは密接な関係を持っています。

深く観察することで、「はて、これは一体なんだろうか?」という疑問が立ち上がるかもしれません。観察から生じる疑問があるわけです。逆に、疑問を持ったがゆえに、どこかに観察に向かったり、これまでと違った視点で観察できるようになったりもするでしょう。疑問が観察を広める(あるいは深める)こともあります。

どちらが先、という一定のパターンはなく、疑問を持つことと観察することはいつでも緩やかに相互に影響を与え合っています。そして、小さな知的生産ならば、この二つだけで完結します。疑問を持つ → 観察する → さらなる疑問を持つ → さらなる観察をする、を繰り返すうちに、断片的であれアウトプットが生まれてきます。

よって、この二つが基礎の中の基礎、あるいは出発点のコアです。一番最初に身につけたい、基本動作や型と言えるかもしれません。この二つが機能している限り、知的生産の素材(いわゆるネタ)に困ることはないでしょう。

さいごに

「見ることから、もう考えることは始まっている」

そんな言い方ができるかもしれません。

観察することは非常に重要です。疑問を持つことは出発点となりますが、それだけでは前には進めません。前に進むためには、観察し、新しい素材を取り込む必要があります。さらに言えば、自分が立てた疑問を「観察」することで、まったく違う一歩が開けてくることもあります。

?と!

二つの力をうまく使っていきたいところです。

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» タスク管理ゲーム化計画[Kindle版]


▼編集後記:
倉下忠憲



贅沢です。贅沢に時間を使って、推敲作業をしています。なにせ書き出しの一段落のためだけに二日以上使ってますからね。そういうことはなかなか実際には難しいのですが、セルフパブリッシングなら、(自分がリスクを背負えば)OKです。まあ、時間を掛けたからといって必ずしも良くなるとは限らないのが、辛いところではありますが……。


▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。


» ズボラな僕がEvernoteで情報の片付け達人になった理由




▼「R25世代の知的生産」の新着エントリー

» 「R25世代の知的生産」の記事一覧

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