※当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

「1日伸ばすと、やるべき量が倍になり、気力も半分になりまする」



「そろそろ修養(しゅうよう)のお時間にございます」
「帰ったばかりでうるさいのう~。明日からちゃんとやる!」
「昨日もそう言われましたぞ。1日伸ばすと、やるべき量が倍になり、気力も半分になりまする」
「…わかった、やる。もう、すぐにやる!」
「修養の後はお食事。そして、藩財政のご検討…」
「わかーったから、もう、部屋で待っておれ!」
「きっとでございますぞ」

大橋悦夫これは、映画「超高速!参勤交代」(2014)という映画のワンシーンです。

その名のとおり、参勤交代がテーマの作品で、1年間の江戸での勤めを終えて国元に帰ってきたところから始まります。

▼予告編(30秒)


主人公は、湯長谷(ゆながや)藩の藩主、内藤政醇(まさあつ)で、冒頭のシーンは、家老である相馬兼嗣と政醇のやり取りです。

「修養」とは、ざっくり言って「自己啓発の勉強」くらいの意味合いでしょう。

家老からせっつかれるのですが、参勤交代から帰ってきたばかりということもあり、あまり気が進まないわけです。

それに対する家老のコメントが現代に生きる我々にも突き刺さります。

「1日伸ばすと、やるべき量が倍になり、気力も半分になりまする」

このようなフレーズがサラっと出てきたことに驚かされると同時に、思わずニヤリとしてしまいます。

実に的確な指摘だからです。

すでに決まっていて動かせない期限のある仕事に比べると、今回の「修養」のような重要ではあるものの期限が明確には決まっていない仕事は取りかかるのが難しい。

こうした仕事は、明確な期限のある仕事に追われているうちに、やむにやまれず放置され続け、やがて“不良債権”と化してしまいます。

つまり、「やろう!」という決心(心の負債)が実行(行動の投資)によって回収できなくなっている状態です。

そうなってしまう前に、少しずつでもいいので、今日から毎日、回収を始めたほうがいいですね。

» 超高速!参勤交代