ウェブの長文記事は迷わず「Pocket」に転送して、移動中などのPC作業ができないときに少しずつ消化するようにしています。
» Pocket
「Pocket」への転送は一瞬で終わりますが、これを消化するのには一定の時間が必要です。忙しくなってくると「Pocketに溜まっている記事を消化する」というタスクの優先度は著しく低下します。
その結果、未読記事は増える一方となり、消化不良を起こすことになります。そうなると、「これは絶対に役に立つ! 読むのが楽しみ!」という長文記事にせっかく出会っても、
- あぁ、でも今はPocketはすでにオーバーフローしているからなぁ…
- Pocketに放り込んでも読まないかもしれないしなぁ…
- とりあえずタブに開いたままにしておくか!
という具合に、迷ったり考えたり、あるいは問題の先送り(タブに開いたままにしておく)をしたりなど、余計な悩みを抱えることに。
理想は、その日にPocketに登録した記事はその日のうちに消化しきること。
でも、これだけでは過去に登録した未読記事は減らないので、
- その日に登録した記事数 < その日に消化した記事数
という状態をキープする必要があります。
この励行を支援するために「日付区切り」を挿入する方法を以前ご紹介しましたが、
» Pocketに「日付区切り」を挿入しておくと、消化や整理が捗る
今回は、Pocketに読みに行かなくても毎日確実に1本ずつ消化する方法です。
「PocketRocket」を使う
その方法とは、「PocketRocket」という無料のウェブサービスを使うことです。
PocketRocketとは?
ひと言でいうと、Pocketに保存されている未読記事から毎日1本だけメールで送ってくれるサービスで、特徴は以下の通り。
- 送られる記事はランダムに選ばれる
- 送られた記事は自動的にPocket上でアーカイブに入る
- メールの時刻は自分で設定できる
メリットは?
メールチェックは毎日するので、毎日必ず1記事は消化できる。これに尽きます。
毎日1記事という、ゆったりとしたペースですが、だからこそ無理なく確実に消化が進みます。「時間があるときにまとめてやろう」は妄想に過ぎないことを教えてくれます。
少しずつ積み上げたことは崩れない。直前に一気に詰め込んだことは残らない。
— しごたのん (@shigotanon) 2016年7月15日
「まとめて一気に」よりも「時間をかけて少しずつ」のほうがリスクが少なく難易度も下がる。何よりも取りかかる負荷が軽くて済む。「まとめて一気に」はうまくいけば爽快だが負荷は増大する。
— しごたのん (@shigotanon) 2016年7月20日
人は急には変われないが、少しずつなら確実に変われる。今日だけ本気出す代わりに、今日から少しだけ行動を変える。
— しごたのん (@shigotanon) 2016年7月27日
ランダムチョイスで届けられるので、「シェフのおすすめ」のような感覚に近く、それでいてそもそも自分が興味を抱いてPocketに登録した記事なので「そうそう、これを読もうと思ってたんだ!」という、ほのかなセレンディピティがそこにはあります。
あるいは、もはや誰も注目しなくなったトピックについての記事が送られてくれば、ブーム再燃の火付け役になれるかもしれません。実際、5年前にベストセラーとなった本の書評記事が送られてきたときは、改めてその本を読み返すきっかけになりました。
5年もたっていれば、時代背景も前提もコンテクストががらりと変わっていますから「今だから言える!」という新しいアングルが得られ、その本について、あるいはその本が指し示しているコンセプトについて、その後日譚もまじえながら自分の考えを組み立てることができるでしょう。
例えば、以下は 2008年05月06日の記事ですが、7年後の2015年8月14日に読みました。
読んだ当時(2015年)のメモには「英語の勉強に通じる」というコメントが残されていました。「遅延評価勉強法」という考え方はすでに記事が出た当時(2008年)にある程度は把握していたのですが、それから7年間の沈黙というか熟成を経て、その間に新たに得た知識や深まった考え方と相まってそこに新しいアングル(切り口)が生じうるわけです。
今の自分なら『受験は要領』とも関連づけるでしょう。
» 『受験は要領』は大人になって、いつのまにか失われていた要領を取り戻すための一冊
このように、ランダムに送られてくる未読記事は「過去の自分の関心のタイムカプセル」のようなものなので、そこから発想が刺激されることは大いにあるわけです。
デメリットは?
特にありませんが、しいて言えば、毎日必ず1通メールが届くことになるので、それが邪魔に感じるという方にはおすすめできないかもしれません。ただ、少なからず自分が興味を持った記事が届くわけなので、通常のメルマガやダイレクトメールよりも親近感は強いはずです。
なお、古い記事はリンク切れになっていたりするので「今日は読まずに1本消化できてラッキー♪」みたいな日も出てきますが、こういう肩すかしもまた一興です。
↓以下のような場合は、何が出てくるかわからない楽しみがあります。
(ノーヒントで「Continue Reading」をクリック)
登録手順は?
▼PocketRocketのページを開き、すでにお手持ちのPocketのアカウントにサインインします。
▼メール配信時刻と配信先アドレスを設定します。
▼それぞれ後から変更することもできます。配信を止めたいときは「Stop Sending」をクリック。
なお、時刻は太平洋時間(PST/PDT)のため、設定した17時間後(夏時間は16時間後)の日本時間が配信時刻となります。
例えば、「02:30 PM」と設定すると「07:30 AM」に届きます(夏時間は「06:30 AM」)。
以下のサイトで太平洋時間から日本時間に変換ができます(夏時間も加味)のでご参考まで。
» アメリカ / ロサンゼルスの時差と現在時刻 – Time-j.net
おすすめカスタマイズ
IFTTTで「Pocketでアーカイブした記事をメールで送る」というレシピを作って運用しています。
» archived Pocket item info to mailbox
通常どおりPocketで読了(アーカイブ)した記事はもちろん、PocketRocketでアーカイブに入った記事についても、以下のようにメールで受け取れます。
▼「2016年7月11日にPocketに追加して、7月24日にアーカイブ」
こうすることで、「自分がその記事をいつ読了したのか」を後からトラッキングできるようになります。例えば、「確かにPocketで読んだはず」という断片的な記憶を手がかりに「読んだはずの記事」を探し出すことができます。
言い換えれば、自分が関心をもって読んだ記事については漏れなく「いつ読んだのか?」の記録を自動的に残せる、ということです。
従って、特に追いかけているテーマに関する記事の場合は、たとえその場でブラウザ上で読める程度の長さであっても、記録に残すために、あえてPocketに送ったうえで読むようにしています。
重要な記事はEvernoteにクリップしていますが、重要性に気づかずにクリップすることなく読み流してしまった場合でも、ここからサルベージできるわけです。
なお、これらのメールは必要になったときに探せればいいので、Gmailのフィルタで受信時に即アーカイブするように設定しています。
ということで、
PocketRocketは以下よりどうぞ。
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