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仕事を停滞させないための、ほどよい緊張感の追求



大橋悦夫昨年8月からシェアオフィスで仕事をするようになりました。

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とはいえ、毎日通うことはせず、週に2~3回程度です。行こうと思えば毎日でも行けますが、あえて自宅で仕事をする日を確保しています。理由は後述します。

自宅以外で仕事をすることのメリット

シェアオフィスに限らず、カフェやファミレスなど自宅以外で仕事をするたびに気づかされるのが「人目のパワー」です。

監視されるほどではないにしろ、周りに人がいる、という環境はそれなりに緊張感を伴うものです。

この緊張感を数値化してみます。

背後に陣取られて、がっつり画面を監視される状態を100としたら、
自宅で誰にも見られずに仕事に取り組む状態は15くらい。

さすがにゼロにはならないのですが、それでも相当低いです。

これがシェアオフィスのような環境では、40くらいにアップします。

もちろん、この緊張感の値は高ければ高いほどいい、というわけではありません。

むしろ高すぎればパフォーマンスが下がるでしょう。絶えず背後から上司に見られていたら、かなりやりづらそうです。

そういうわけで、ほどよい緊張感が維持されている状態が望ましいでしょう。

シェアオフィスに毎日通わない理由

「ハウス・オブ・カード」という米国ドラマのワンシーンで「同じ場所に2回通うと、パターンとして認識されてしまう」というセリフがありました。もちろん「一般人が」ではなく、「(この話者のような)当局にマークされている人は」ということです。

» ハウス・オブ・カード 野望の階段 シーズン1(字幕版)


同じ行動を短期間に続けて行うと、自分の中にある“当局”にマークされやすくなります。選択の自由が狭まります。

たとえば、「前回も前々回もカツカレーにして、いずれも悪くなかった。だから今回もカツカレーにしよう」という“安全牌”に流れやすくなるのです。監視の視線に過剰反応して、無難な選択を繰り返してしまいます。

もちろん、習慣化したいことはどんどんマークしてもらって構いません。むしろマーク大歓迎。

習慣化とは、取りかかりの負荷が限りなくゼロに近づくことだと考えているので、同じタイミングで同じ選択を繰り返すことで、そこに抗いがたいパターンが生じ、轍(わだち)に沿って淡々と進み続けることになります。

代償として、低刺激からくる倦怠感を受け入れることになります。いわゆるマンネリです。

By: Shawn KirtonCC BY 2.0


シェアオフィスに毎日通わない理由は、このマンネリを避けたいからにほかなりません。一つの環境から得られる緊張感が常に一定レベルをキープできるようにしたい。マンネリとは、この緊張感が著しく損なわれる状態といえます。

理想は、3~5つくらいの異なる環境を確保し、一定期間ごとに巡回することです。ごはん → 味噌汁 → おかず → 小鉢 → 香の物 → ごはん、という巡回から「おいしい」という満足感が得られるのと同様に、です。

巡回先は少なすぎればマンネリに近づきますし、多すぎると混乱を招くでしょう。

従って、巡回先の数もほどよいレベルを探る必要があります。巡回先のレパートリーも少しずつ入れ替えたほうがいいかもしれません。

以下の記事でも触れていますが、このあたりは“未舗装の曲がりくねった道”がえんえんと続くようです。

» 迷うことなく『ずっとやりたかったことを、やりなさい』


常にほどよい緊張感がキープできる、という意味では人間の心拍数に似ているかもしれません。激しい運動の最中には心拍数は上がりますし、食後にリラックスしているときには逆に下がるでしょう。

緊張レベルも、時間帯や仕事内容によって変化するはずで、この変化がスムーズに行えなくなると、仕事のパフォーマンスも下がることになります。

少し走っただけですぐに息が切れてしまうのは、運動量の増大に心拍数の増加が追随できていない状態です。日頃から運動をしている人は、運動と心拍数の連動がスムーズですが、運動をしていない人は、この連動がうまくいかず、従って息切れしてしまうわけです。