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一年のはじまりには、インプットテーマの設定を

By: ITU PicturesCC BY 2.0


倉下忠憲今年最初のエントリーです。

新年ということで、何かしらの目標を設定された方も多いことでしょう。それらの目標は、活動に関するものもあれば、達成したい状態などもあるかもしれません。指針があるのは良いことです。

私自身に関して言えば、大きな目標は設定していないのですが、「今年はこの辺りのテーマでインプットを進めよう」という方向性は考えています。

今回はそうしたインプットテーマについてのお話を。

テーマ・及びスパンの設定

かのドラッカーは、勉強のスパンを二種類設定していたそうです。

一つが三ヶ月スパン。
もう一つが三年スパン。

そうやって二つのテーマのインプットを並行して進めていく方法が『ドラッカー流 最強の勉強法』にて紹介されています。

テーマの決め方は、やはり「自分の関心があること」が軸になるのでしょうが、その全てに全力投球することはできません。時間という制約があります。

なので、ある程度順位付けを行い、軽く理解するだけで良い分野は三ヶ月スパンで、もう少し深掘りしたい分野に関しては三年スパンで、といった分け方をするわけです。

全ての対象にダラダラと関心を向けるよりは、ある程度の線引きを行い、期限を設けてインプットした方がメリハリが付きます。

スパンに応じたインプット

実際に、どのようなインプットを行うのかは、当然設定したスパンによって変わってきます。

三日~三週間程度であれば、数冊の本を読むことが限界でしょう。あるいは一日しか使わないのであれば『2時間でわかる○○』といった書籍を当たってお終いになりそうです。

当然、このようなインプットでは、その分野に軽くタッチすることしかできません。

たとえば、語句の意味がわかる、といった程度です。逆に言えば、求められるアウトプットがそのレベルならそうしたインプットで充分間に合います。

自分の専門分野に引きつけて知識を利用したかったり、あるいは自分の専門分野そのものにしたい場合は、もっと長期的・大規模なインプットが必要になるのは言うまでもありません。

だからこそ、自分の関心ある分野に線引きしておく必要があるのです。時間の配分を間違えると、登れる山の高さに違いが出てきてしまいます。

本格的なインプットの場合は、簡単な書籍から入り徐々に専門書や論文に移行していったり、実践者にインタビューを行ったり、自分で実際にできることを実施してみたり、といった情報摂取もありえます。

Webソースでも、何かしらのキーワードで検索をかけて発見したページをしらみつぶしに読んだり、HOTなキーワードでTwitter検索をかけたりと、いくらでも摂取情報は存在しています。

それらを時間をかけて積み重ねていくことになります。

インプットの、その後に

設定したスパンが終了したら、その後に何かしらのアウトプットを行うのがよいでしょう。知識であれば、それをまとめてみる、ということです。

あるいは、他の誰かに教えてみるのも良いアウトプットになりえます。

それは自分の知識を整理する意味もあり、一つの区切りを確認する意味もあります。一区切り付けてみて、「うん、これで充分」と思うのか、「もっと掘り下げたい」と思うのかはわかりません。

後者であれば、テーマを格上げして、より時間をかけてインプットを行うことになるでしょう。

もちろん、必要なアウトプットがありそこから逆算してスパンを決めたのならば、アウトプットは必ず行わなければいけません。そうでないならば、自分に何かしらの「宿題」を課してみることです。

さいごに

私は去年、「ゲームデザインについて学ぶ」というテーマを掲げて、三ヶ月ほど集中的なインプットを行いました。

しかし、まだアウトプットが作れていないので、それが今年の課題の一つにもなっています。

今年のインプットに関しては「マネジメントと意志力」をテーマに掲げようかと思っています。三ヶ月よりももう少し長いスパンになるかもしれません。とりあえず、面白そうなテーマです。

雑多に本を読むのは楽しいですが、その中でもいくつかの(期間限定の)テーマみたいなものを設けると、より楽しさは増してくるでしょう。

▼参考文献:

今回紹介したスパンによる分け方だけではなく、価値観や自分の強みに基づいたテーマ設定のお話なども紹介されています。

» ドラッカー流 最強の勉強法(祥伝社新書207)

ドラッカー流 最強の勉強法(祥伝社新書207)
中野 明
祥伝社 ( 2010-06-30 )
ISBN: 9784396112073


▼編集後記:
倉下忠憲



12月も月末に電子書籍を発売できました。わりとストレートなタイトルで、わりとストレートな内容になっています。短いインプットで良い方は「通常版」、読み物的ボリュームを求められる方は「増補版」をお選びください。ランディングページもあります。

» 「本」を読むことについて[Kindle版]


» 「本」を読むことについて[増補版] [Kindle版]



▼倉下忠憲:
新しい時代に向けて「知的生産」を見つめ直す。R-style主宰。