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会社から早く帰ることはなぜ大切なのか? 逃げではなく攻めの理由として



濵(はま)中省吾前回の記事で、無駄に会社に残らずすぐ帰るためにはどうすれば良いのかを書きました。

» 無駄に会社に残らずすぐ帰る人がしている7つのこと 

今回は、早く帰ることがなぜ大切なのか、私が考えていることをお話ししたいと思います。

早く帰らなければ残業体質になってしまう

「仕事が増えても、残業すればいいや」と考えたことはありませんか?たまにならいいですが、これが慢性化すると大変です。

帰りたいのに帰らず会社に残っていると、「仕事が増えても残業すればいいや」という考えに陥りやすくなり、結果として残業体質になってしまいます。

ここから残業体質の恐ろしさについて話したいと思いますが、まずは「木こりのジレンマ」というお話を参考に紹介します。

ある木こりが新しい斧を手に入れて木を切りました。最初は1日に10本切り倒すことができ、満足していました。

しかし、日が経つにつれて10本切り倒すための時間はどんどん伸びていき、やがて切り倒す時間を増やしても10本切ることができなくなりました。

ある日、とても働き者の木こりがいると聞いて、旅人が木こりに会いに来ました。しかし、彼が働く様子を見て旅人はこう言いました。

「なぜ斧の刃を研がないのですか? そんなボロボロの斧では、時間がかかってしょうがないでしょう?」

すると働き者の木こりは答えました。「木を切るのに忙しくて、そんなことをしている暇がないんだ。」


「木こりのジレンマ」から学ぶ残業体質の恐ろしさ

(1)問題の見落とし、本質的な改善の放棄

「木を切ることは大変だ。だからより多くの時間が必要だ。」

つまり

「仕事は大変だ。もっと多くの時間が必要だ。」

という考え方は、「なぜ大変なのか?」という問題が見えていません。

残業体質になってしまうと、「なぜ残業する必要が生じているのか?」という問題を見なくなり、結果として本質的な改善(斧を研ぐ)を放棄する体質になってしまいます。

さらに恐ろしいのは、その状態に陥っている人たちは、「自分が本質的な改善を放棄していること」に気がつくこと自体が難しくなる点なのです。

残業体質にならないためには、意識的に早く帰ろうとすることが効果的です。仕事上の問題と本質的な改善に対する感度を高めるためにも、無駄に残らず早く帰るべきだと私は思っています。

(2)健康面でいつか破綻する

心身に異常をきたすことにより、長時間労働によって得た「時間」や「お金」などを回復期間に失いました。非常に虚しかったです。

(中略)

残業で得た「お金」「時間」「信頼」などは、心身の不調一発で消し飛びます。私は心の病と入院でそれを思い知りました。仕事で体を壊しても会社は面倒を見てくれません。面倒を見てくれるのは家族と友人です。

via 長時間労働のリスクについて考える-持続可能な働き方をしていますか?

↑の引用文は私の体験です。無理な仕事の仕方で体を壊し、無理な仕事で得たものを失いました。

慢性的な残業は心と体を疲弊させます。そして、毎日の疲れがとれない状況に陥ると、まさにあなた自身がボロボロの斧になってしまいます。

精神的にも肉体的にも仕事を十分にこなせる状態ではないのに、無理に仕事を続けるから余計に時間がかかり、さらに残業するという負のスパイラルです。

まさに「木を切るのに(仕事が)忙しくて、そんなことをしている(休んでいる)暇がないんだ。」という状態ですね。

この状態になってしまうと、自分ではもう正常な判断ができなくなってしまうことがほとんどです。

ですから、そのような状態にならないためにも、きちんと早く帰って休み、日々の仕事を万全の調子で取り組むことが大切だと私は思っています。

まとめ:会社から早く帰ることはなぜ大切なのか?

  • 早く帰ることで、仕事上の問題と本質的な改善への感度を高める
  • 早く帰ることで、心身の健康を維持し、決して負のスパイラルに陥らないようにする

仕事から逃げるために早く帰るのではなく、プロとして継続的に働くために早く帰るべきなのです。

▼編集後記:
濵(はま)中省吾

「時間内に終わらなければ残業すればいい」という考え方で対処していると、なぜ仕事が終わらないのかという理由がわからず、したがって抜本的な解決も図れないので、常に同じ問題が繰り返し発生し続けることになります。つまり、問題を顕在化し、改善する絶好の機会が残業によって奪われてしまうのです。

via 『君はまだ残業しているのか』/吉越浩一郎

「残業は悪だ」ときっぱりと言い切ってくれるこの本をはじめて読んだときは衝撃でした。少々過激とも思える内容もあるものの、私はこの本の影響を少なからず受けています。

「本当は無理に働きたくない…」「残業ばかりの生活に疲れた…」と感じている方にぜひ読んで欲しいと思える本です。きっと気持ちが少し楽になると思います。



▼濵中省吾:
「ほんと自由に生きてるよね」と家族に言われる化学系研究職。はまラボ主宰。