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会った人の顔と名前がなかなか覚えられない時の対策

By: Thos BallantyneCC BY 2.0


大橋悦夫2回目に会ったときに、相手が自分のことを覚えていてくれたら、誰でもうれしいものです。

さらに、前回、すなわち初めて会ったときに交わした会話を引きながら、

「そういえば、○○の調子はいかがですか?」

などと尋ねられたら、自然と顔もほころんでしまうでしょう。

油断すると相手のことを好きになってしまうかもしれません。

ビジネスの場であれば、その後のコミュニケーションはきわめて円滑に運び、お互いにとっての良い結果にむかってまっしぐらに転がっていくはずです。

このとき、「自分のことを覚えていてくれた相手」はいったいどのような魔法を使ったのでしょうか?

この魔法が自由に使えるようになれば、仕事はうまくいき、欲しい結果が得られ、仕事が楽しいと感じられるようになるはずです。

2回目に会ったときに、相手のことを思い出すための魔法

その魔法のタネは次の2つ。

  • 1.自分にとって大事だと思える人とそうでない人とを厳しく選り分けること
  • 2.大事だと思えた人についての情報をできる限りたくさん集めて書いておくこと

この2つを実践するための簡単な方法は人物記録をつけることです。

毎日、その日に会って話をした人のうち「この人は大事だ(=その人との関係を末永く大事にしていきたい)」と思えた人について、その人の話してくれたことや周辺情報(出身、経歴、関係者、好きなこと、エピソードなど)と自分が相手に対して抱いた印象(○○に似ている、この点がすごい)を箇条書きで書いておきます。

出会った人すべてに対してこれだけの手間はかけられないので、必然的に「大事な人」だけになります。

週に1回、この記録を読み返します。これは週次レビューの中で自動的に行われます。これで、記憶に定着します。

つまり、2をきちんとやろうとするだけで、おのずと1が達成される、ということです。

記録するに値するか否かの見極めがキモですが、このスキルは実際に記録を繰り返していくうちに磨かれていきます。そこにコツはありません。

昨今では、会ったその日にFacebookでつながれる場合が多いので、わざわざこうした記録を手間ひまかけて残さなくても良さそうなものです。

でも、当然ですが、多くの人は「すべて」をFacebookには書いているわけではないので、自分の耳目を通して集めた相手の事実と印象はそれだけで貴重なものになります。

手間をかけた分だけ愛着もわき、次に会ったときには「あぁ、また会えた☆」といううれしさが自然とこみ上げてきます。

言葉に出さなくても「この人は自分のことを大事に思ってくれている」という雰囲気が相手に伝わるでしょう。

専用の箱を用意する

記録という手間のかかる面倒なことは、よほどのメリットが期待できない限りは続きません。

だからこそ、この障害を乗り越えて生きながらえた記録は、それが自分にとってとりわけ重要なことである、と思えた証拠になります。

記録に残そうとすることで、ふるいにかけられるわけです。

「これは大事なことだから覚えておこう」と思うだけではまったく意味がありません。大事にしている本を、さして大事でもない本と同じ箱に入れておいて、「同じ箱に入っていても、大事な本は区別できるから大丈夫だろう」と言っているようなものです。

もちろん箱の中を覗けば区別はできるのかもしれませんが、ノイズとなる本がある分だけ区別に時間と手間がかかります。面倒なので後回しにしてしまうかもしれません。

大事な本だけしか入っていない箱を用意することでこの時間と手間、すなわち「後回しの余地」をゼロにすることができます。

大事なことを記録に残すことは、専用の箱を用意するようなものなのです。

「記録に残すかどうか」というフィルターを磨く

人に限らず、上記に挙げた本もしかり、日々流れ込んでくる情報もしかりです。

大事だと思ったことについては、手間をかけて選別し、自分の言葉を添えて残しておく。なぜそれが大事だと思ったのか、そのときの気持ちを残しておくことで、後から見返した時にその気持ちを再現することができます。

もちろん、時間がたって「今はそれほどでもないな」と冷めていることに気づくこともあるでしょう。でも、時の試練をものともせずに「今でも、いや、今だからこそ大事だ」と、いっそう思いが強くなることもあります。

僕自身はかつて読んだ本を読み返すことで、このことをあらためて実感しています。

こういった長く生きながらえる「大事」を見極められるようになれば、判断も行動もずっとシャープになり、結果もついてくるようになります。

このフィルターは自分だけの“特注品”なので、誰かからコピーすることはできません。コピーしても正しく機能しないでしょう。

取捨選択を繰り返し、失敗を重ね、残ったものだけを拾い集めて記録に残す、という地道な継続によって少しずつフィット感が増していきます。

このプロセスの中で「大事なこと」に対する“選球眼”が磨かれます。

まとめ

会った人全員をもれなく等しくケアすることを諦めることが大事だと思います。
これは本についても情報についても同様です。

そのうえで、記録と読み返しを続けることが大事です。

会った人の顔と名前がなかなか覚えられないときの対策

1.この人との関係は大事にしていきたい、と思えたら、その人と会ったその日のうちに、

  • その人について感じたこと
  • その人が話してくれたこと
  • その人に自分が話したこと

を記録しておくこと。

2.週に一度この記録を読み返すこと。

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書籍からの引用や撮影したページに「Evernoteで書いてある内容をタグ付けする」などというと「そんな面倒なことをやっている暇はどこにもない」と言われるでしょう。私自身も同じです。

特に「いい本」は学ぶところが満載であり、やろうと思えば1ページおき、それどころから1行おきに書き込みを入れたりコメントしたりしたくなってしまいます。それを全部の本についてやっている暇などあるはずがありません。

そこで、ほとんどの本については私は「ただひとつだけタグを付ける」ようにします。そしてそのタグに複数の書籍からの引用を集めてみるのです。

本書でも「全部は無理!」という出発点から「大事なことを記録する」ところに展開していきます。記録とは選り分けの技術であり、この技術を磨くことが選択の連続である人生を乗り切る秘訣かもしれません。

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