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やりたいこと、やるべきことを確実にやるために、絶対やらなければいけない3つのこと

それは次の3つです。

  1. 自分にとっての「時系列リスト」(カレンダー)を1つに決めること
  2. やりたいことは全てその「時系列リスト」に入れる事
  3. 他のリストは全てその「時系列リスト」から参照すること

以上は「当たり前」と言われれば当たり前のことですが、世にある多くの文具やサービスを見ると、これが当たり前でないことに気づきます。

しかしこれを当たり前のようにやらないと「なぜかいつまで経っても実行されない、やるはずだった作業」が山のように残っていきます。その理由も確認しながら見ていきます。

1.自分にとっての「時系列リスト」(カレンダー)を1つに決めること

ここで言っていることはタスクをただ1つの時系列リスト(カレンダーも可)に集めるということ、ただそれだけです。

手帳をはじめ、世に多く出回っているサービスの重大な欠陥は、タスクをそもそも一元的に集められるようになっていないということです。

例えばある人は、電話近くにかかっているカレンダーに予定を書くのに、手帳ももっています。つまりどちらかだけを参照しても、ある日時に予定があるかどうかはそもそも分からないということになります。また、空白は必ずしも空白を意味しないとも言えます。

本当に重要な仕事を抱えていて、本当に忙しいときに、複数のリストをもっていたら、それらのリストを全部手元に集めて仕事をするはずです。(今手元にないリストにものすごく大事な仕事のことが書いてあったはずだけど内容は思い出せないし、たしか〆切は今日中だったけどまあいいか、とは思わないはずです)。

それならば、最初からリストは一元化しておきたいところです。

2.やりたいことは全てその「時系列リスト」に入れる事

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Google カレンダーに ToDo リストを表示する | Google カレンダー の使い方


Googleカレンダーをはじめとして、世に多くの「カレンダー&ToDoリストの並行表示」が出回っていますが、これが「使いやすい」とされているのは残念なことです。この「時系列の外に出た、四次元世界にあるToDoリストの項目」は何日の何時何分に実行されるのでしょう?

もちろん「タスクを時系列の中に入れる」には心理的抵抗があるかもしれません。なぜなら「時系列の中に入ったら、その時が来たらやらなければならなくなる」からです。しかし、ということは「時系列の外にあるものは、気が向くまでやらなくてもいい」ということでしかありません。

このような具合にして、いつまで経っても実行されないタスクが「時系列の外に」たまっていくことになるわけです。

3.他のリストは全てその「時系列リスト」から参照すること

ただし、全てのタスクと資料を全部一元化できるかといえば、そんなことは不可能です。

そもそもメールというものがあります。全部のメールがタスクリストの中に入ってきたら、たまったものではありません。逆の発送としてメールをタスクリストとして使うという考え方もあるのですが、ノイズが多すぎるという問題は残ると思います。

それに、そもそもあらゆるタスクがデジタル形態でやってくるとは限りません。電話で要件を告げられることも多ければ、故障したプリンタを直す際などに、紙の取扱説明書を探したりすることもあるわけです。取扱説明書はこの場合にはタスクを実行するための参照資料ですが、たぶんどこかの棚や引き出しの中にあって、メールの中に入れてはいないでしょう。

「メインのタスクリスト」は一元化する必要があります。そのリストは時系列に並んでいるべきです。しかし、その他に参照しなければならないリストがきっとあります。

ということは、メインのタスクリストの中に

  • □Evernoteの●●ノートを参照する

などの項目を書き込んでおく必要があるということになるでしょう。「□メールチェック」などの項目は、まさに「他のリストを参照する」一例です。

以上で説明した3項目をもう一度まとめますと、いくつかのよくある項目は消えていってもいいのではないかと考えられます。

例えば「優先順位」という考え方は、少なくとも「やる順」が決まったら、あってもなくてもいいようなものになります。「やる順番」と「優先順位」がバッティングする話は込み入ってしまうので、違う機会にお話ししますが、優先順位順に作業できることはふだんでもそう多くはないもので、忙しくなるとほとんど不可能になります。

また「タスクのインボックス」というものも、タスク管理をはじめるタイミングぐらいでしか、使わなくてもいいと思います。日時と関係ないインボックスはすぐ「四次元のタスクリスト」になってしまい、タスクがそこにいつまでも放置されやすいのです。インボックスにタスクがたまっているならいっそのこと、インボックスに時系列を用意してしまって、その中でタスクを処理すればいいと思えるほどです。そうすると結局インボックスという概念は不要になります。

タスクリストが役に立つのは「タスクが妥当な順番で明記され、やらなければいけないことは全てリストの中にある」からです。実際にリストを見てやろうとしたときにはすぐ「この順番では妥当ではない」と気づくかもしれません。その時「リストがあったことの意義」を認められます。

「さっき妥当だと考えた順番は妥当ではなかったから今は違う順番でやっている」とまで、人は思い出せないし想像もできないからです。そのような記憶操作をしているうちに、脳は認知リソースを大きく消耗し(その身体的現れとして瞳孔が拡大します)、しかも記憶違いが発生し、実際に仕事を妥当ではない手順で進めてしまったり、うまくやれても不安感が残ったりしてストレスになります。

ストレスを減らし、認知リソースに余裕があってこそ、仕事を実際に処理する力を存分に発揮することができます。それによってしか仕事は進められないのです。

▼編集後記:
佐々木正悟



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今回のエントリのような話を詳しくわかりやすく書いたのがこの本です。早くもいただいているレビューなどを拝読する限りでは、それなりに意図するところはお伝えできているようで、まずはほっとしています。

私自身のブログではすでに申し上げたとおり、この本の出版記念セミナーなどは予定しておりませんが、第7回タスクセラピーをそれに準ずるセミナーとして、佐々木が主宰したいと思います。

本書で何か疑問に思うところなどがございましたら、セミナーにご参加いただければ、可能な限りお答えして参りたいと思います。

2月23日 第7回タスクセラピー 大事な目標を達成するためのタスク管理術(東京都)