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カラにするからうまくいく



以前こちらでもご紹介し、先日のTaskChuteユーザーミーティングでも言及した「出直しの法則」。

シゴタノ! 手軽に「出直し」をするコツ
そして、そういったモノたちが実は仕事の能率を下げ、集中力を乱す原因になっていることが少なくありません。で、これに対する打ってつけの解決策が「出直しの法則」。 …


短いので改めて引用します。

社員が、出直しの法則を学び、仕事机の上、中にあるものすべてをいったん別の場所に移した。

そして、仕事を始めた。まずはパソコンが必要になった。彼の仕事のほとんどがそのパソコン上での処理だ。

電話を戻し、ペン一本とメモ用紙をもどした。その日は、それだけでことがすんだ。カレンダー、コップ、ウチワ、書類・・・、いつ、机に戻ってくるのだろう。ウチワは来年の6月までは、きっと戻らない。

必要になったら戻す。絶対必要なパソコンも、一度はずしてみたことが偉い。前とすこし置く位置が変った。

経営にもまったく同じことが言える。


要するに、いったんすべてのモノを視界から追い出してカラにした状態をつくり、そこから文字通り「必要に応じて」追い出したモノを戻していく、というプロセスです。

そもそも、なぜこのようなことが必要なのか?

昨日もその前もずっとこれまでも続けてきたことだから、今日もやる

仕事のたいはんは繰り返し(ルーチン)タスクなので、これをパターン化していくことで、その場でいちいち考えなくても決まった手順に沿って手を動かせばいつも通りのクオリティと時間で仕事がどんどん片付いていくようになります。

これは効率アップという観点ではたいへん好ましいことですが、同時に問題点もあります。

何も考えなくてもできてしまうがゆえに、知らず知らずのうちに意味のないことを繰り返していても、それに気づけなくなることがあることです。

効率がよい、ということは同時に「ラクである」ことにもなります。ひとたびこの「ラク」を味わってしまうと、「もう面倒なことは一切したくない」という守りに入りがちです。

うまくいっている(特に問題が起きていないように見える)のにわざわざそれを壊すことはない、という気持ちも手伝って、ますます殻は固くなります。

  • 前例があるから
  • これまでもずっとそうだったから
  • へたにいつもと違うことをして失敗したくないから


ここでも「損をしたくない」という気持ちが働くのです。

シゴタノ! 損をしたくなければ「方法」は捨てる
効率の良い方法を求めるのは間違いではないが正解でもない …


だからこそ「出直しの法則」

「出直しの法則」の優れているところは、それ自体がシンプルである点です。

  • すべてを追い出す
  • 必要都度ひとつひとつ戻していく

これだけです。

常にゼロの状態から考えられるので、過去のしがらみにとらわれることなくフラットに判断を下すことができます。

とはいえ、「出直しの法則」にも問題点はあります。すぐには問題にならないのですが、万能ではない、ということです。

この点についてはまた改めて。

「マンネリ化しているな」と思えるものがあれば、まずはそこから試してみてください。

 

合わせて読みたい:

「出直しの法則」は、現在うまくいっている(ように見える)方法におぼれず、自らの心境の変化、外部環境の変化の両方に注意を向けながら、その時点で最良の方法を追求するための方法論の1つといえます。

同じ姿勢は、以下の本でも主張されています。

ひとつのやり方にしがみつくのはたいへん危険だ。とくに、営業というのは売れればそれだけ満足感や充実感が増すから、売れているうちは、自分が間違っていることをやっているかもしれないなどとは夢にも思わないのである。過去の成功体験や常識もそう。こういうものに従っていると、なんとなく安心してこのやり方でいいのだという気持ちになってしまう。

戦略という概念がないと、人は簡単にこういう安易な方向に流されていくのである。これではどこに向かうかは風まかせ、成功する確率は極めて低いといわざるをえない。だってそうだろう、そのやり方が最善かどうかということと、本人の満足度や充実感、安心などというのは、まるで関係ないのだ。


万能な方法はないので、常に自分の目でチェックをかけつづけるほかないわけです。

» 頭のいい人が儲からない理由 (講談社BIZ)


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