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「おまんじゅう」でなく「サンドイッチ」を意識して言葉を発する


photo credit: Sakurako Kitsa via photo pin cc

池田千恵昨年の話になりますが、米国非営利団体キッズスペースファウンデーション代表で、ニューヨーク在住の教育研究家、大庭コテイさち子さんの講演を聴く機会に恵まれました。

大庭コテイさち子さんは、『考える・まとめる・表現する―アメリカ式「主張の技術」』という、論文作成メソッドを体系化した本を書かれています。

コロンビア大学教育者大学院で教育学を研究した著者が、アメリカ人なら小学校時代から誰でも学んでいる「伝わる」ための手法を紹介したものです。論理的で説得力がある文章とはどういうものか、相手に効果的に伝えるためにはどうしたら良いかが詳しく書かれています。文章を書いたり、論理構成を考えたり、人前でプレゼンをしたりする方に役立つ、おすすめの本です。

※この本については、以前拙ブログ『図解化コンサル池田千恵の「人を動かす1枚図解」』でも紹介しているので、お時間ありましたら読んでいただけると幸いです。

大庭さんは講演で「分かりにくい文章はおまんじゅうのような文章構造になっている」という話をされていて、なるほど、と思いました。



おまんじゅうのように、一番おいしい「あんこ」の部分を最後まで包み込んで見えなくしているために、話を聞いていても要点が見えにくい、というわけです。

ビジネスコミュニケーションにおいての行き違いは、たいてい、「おまんじゅう話法」から始まっているような気がします。

  • 「質問に対して答えていない」と言われてしまう人
  • 今言おうと思ったのに、言う前に話をさえぎらされたという経験がある人

は特に、最後に大事な話をとっておく「おまんじゅう話法」をしている可能性が高いです。

そこで私が心がけているのは、「サンドイッチ話法」です。つまり、最初にポイントや重要となることを言ってしまい、その理由を途中で話し、最後にまたポイントで挟み込むようにするのです。

例えば、私は先日、あるパーティに図解の専門家として呼ばれ、壇上で司会の方から次のような質問をされました。

池田さん、図解において一番大切なことは何だと思いますか?


これを、おまんじゅう、サンドイッチ両方で答えるとこうなります。

▼サンドイッチ話法:

一言でいうと「思いやり」です。(最初にポイントを言ってしまう)「自分の想いを伝えたい」という気持ちが空回りすると独りよがりになってしまいがちなので(理由を述べる)、客観的に、相手が見やすいかどうか、分かりやすいかを先回りして考えること、つまり思いやりの心を持つことが大切だと思います。(ポイントで挟む)

▼おまんじゅう話法

「自分の想いを伝えたい」という気持ちが空回りすると独りよがりになってしまいがちなので(最初に理由)、客観的に、相手が見やすいかどうか、分かりやすいかを先回りして考えること、つまり思いやりの気持ちを持つことが大切だと思います。(結論が最後)

おまんじゅう話法でも意味は伝わりますが、サンドイッチ話法のほうが、最初の質問にきちんと答えてから理由を話すので、聞き手が最後まで答えを待って「で、要点は何なの?」モヤモヤしてしまうのを防ぐことができます。

「伝えた」という事実は「伝わった」という保証にはなりません。いくら自分が「伝えた」と思っていても、伝えたことによって相手が納得し、動いてもらえないことには物事は進みません。

だから、「伝えた」ことで相手が自分の期待する通りの反応を示してくれない時は、自分の「伝え方」に問題がなかったかを振り返る必要があります。

伝え方の問題を振り返るとき、おまんじゅうでなく、サンドイッチになっているかどうかを考える。これは新入社員のときの研修で教わるような当たり前の話ですが、基礎だからこそ、おろそかにできません。このポイントを押さえておくと、相手に「分かりやすい」と言ってもらえる確率が高まりますよ。

▼編集後記:
池田千恵



私は現在、講演やセミナー講師、書籍やコラム執筆、プレゼン資料作成など、人に「伝える」ことを仕事としています。分かりやすい表現や図とは何かを常に研究し、試しては修正し、を毎日繰り返しているのですが、今私がこの仕事をしていることが不思議なような、信じられないような気分になることがあります。

というのも、もともと私は「何を言ってるか意味がわからない」と言われて話を遮られてしまうような、ちょっと残念な社員だったからです。人前に立つと頭の中が真っ白になり、何を話していいかわからなくなり、立ち尽くしてしまう失敗を数えきれないほど経験してきました。(今でも、人前に立つときは、過去の失敗がフラッシュバックし、かなり緊張してしまいます)

だからこそ、ことさらに「伝える」「伝わる」とはどういうことかを気にしていて、その結果として今の仕事をしているのかもしれません。

「自分が苦手だ、トラウマだと思っていることを乗り越えることに人生の意味がある」と尊敬する方から教わり、今私が「伝える」「伝わる」ことを、これほどまで気にする意味が分かってきました。自分がうまくコミュニケーションを取れずに悔しい思いをし続けてきたから、解決する手段をずっと探しつつ、研究しているんだなーと思います。

「朝4時起き」も、もともとは勉強ができなかったり、仕事ができなかったりしたトラウマから始めた習慣です。そう思うと、トラウマやコンプレックスは宝ですね。


▼池田千恵:
前向き早起きエバンジェリスト。朝を有効活用してビジネスの基礎体力をつける「Before 9(ビフォア・ナイン) プロジェクト」主宰。