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ブログを仕事に役立てるための7つの視点

2月22日(金)、すなわち今週の金曜日に以下のイベントにて15分間のショートプレゼンをさせていただくことになりました。

» 2月22日(金)ブロガー勉強会の開催について : AMNブログ

■ブロガー勉強会開催概要
・開催日時 2月22日(金) 19時半〜
・開催場所 パソナテックセミナールーム (渋谷) (地図はこちら)
・会費 2000円予定 (軽食費代)
・人数 20〜40名予定 (会場と調整中)

・ショートプレゼン (各自15分を予定)
 ・大橋さん(シゴタノ!) 「ブログを続ける上で心がけていること(仮)」
 ・小林さん(Polar Bear Blog) 「ブログと読みやすさ」
 ・いしたにさん(みたいもん!) 「ブログと写真とflickr」
 ・堀さん(Lifehacking.jp) 「ブログを作る上で参考にした海外のブログ等(仮)」
・Q&Aおよび情報交換(30分程度)
・懇親会(1時間程度)

・・・といっても、すでに申し込みが定員に達したようです(そのため、当日はライブ中継もあるとかないとか…)。

そこで、上記のプレゼンとは別に、このブログで書いてきたブログの「ノウハウ」についてまとめておこうと思います。個人的に思い入れのある記事を7個ピックアップしてみます。

1.週記のススメ 

シゴタノ!史上最初にブログについて言及したエントリー。

そこで、せっかくいろいろなページを目にしてインスピレーションを受けたのだから、それをある程度きちんとした形で、ゆっくりでもいいから着実にモノにするための、「週記」という習慣をご紹介します。

ということで、週に1度の頻度で直近一週間のインプットを振り返りましょう、という習慣のススメです。つい最近も以下のようなエントリーを書いていますが、2年半前とスタンスは変わっていないことがうかがいしれます。

» 「いい」と思った本の内容を確実に身につける方法 

ここで大事なことは、一週間というスパンで振り返るということ。一ヶ月では長すぎるし1日では短すぎるのです。これについては『7つの習慣 最優先事項―「人生の選択」と時間の原則』に次のような例え話が紹介されており、合点がいきます。

あなたが、山や谷のようなところをカメラでさまざまな角度から捉えた数分のビデオを見たとしよう。それには山や谷の輪郭が明確に映し出されていて、カメラが捉えた景色が変わるたびに、あなたは「あれは何だろうか」と思うことだろう。盛り上がっているところは、山だろうか、それとも荒れ地だろうか。遠方に見えるのは砂丘だろうか。

しばらくすると、カメラはゆっくりと後ろに下がり、やがて景色だったものの全貌が現われてくる。「山」や「谷」だと思っていたものは、実はオレンジの皮の凹凸にすぎなかったのだ。

一日単位で計画を立てるとすると、限られた視野から考えなければならない。あまりにも「クローズアップ」しすぎているので、目先のものにとらわれてしまいがちになる。「重要度および効果」ではなく、「緊急度および効率」の観点から考えてしまうようになる。

週単位で振り返ることによって“芝目”が見えてきますよ、ということですね。ちなみに、僕はこの“芝目”という言葉がけっこう好きで、過去にも3回ほど使っています。

» 後から役に立つカテゴリを立てるコツ 

同じカテゴリでも、コンテクストによっては全く異なるニュアンスになることはざらにあります(例えば「blog」や「読書」)。文字通りカテゴリを「立てる」ことでエントリの“芝目”をカテゴリから読むことができるようになります。

» ざっくりつかむコツ 

それゆえ、どれもこれもが優先すべきタスクのように思えて、「どこから手をつければいいのかがわからなかったのだ」。そんな時は、微妙な違いはばっさり斬り捨て、際立った凹凸・起伏・芝目をより強調するといいようです。

» ブログで自分の思考を視覚化する方法 

愛着のある自分のブログとはいえ、最初からすべて読み返していたのでは時間がいくらあっても足りません。一方、タグによってその“芝目”が立ち上がっていれば、これに沿う形で過去の自分の思考を辿ることができ、場合によっては今の自分の思考と「ピピッと結びつく」ことがあるかもしれません。

いずれも、ミクロ視点からマクロ視点にズームアウトすることによって見えてくる何かを象徴しています。

2.ブログを効率よく書くための13のコツ 

続いて、海外ブログで紹介されていたブログの「ノウハウ」を紹介したもの。

 1.書く時間を確保する
 2.更新頻度を決めてこれを守る
 3.ネタ帳をつける(ストックを持つ)
 4.調子のいい時に書き溜める
 5.“休刊日”を作る
 6.本をしっかり読む──人に語れるネタを増やす
 7.まず主題を決める
 8.誰かに話しかけるつもりで書く
 9.コミュニティを活用する
 10.失敗(駄作)を恐れない
 11.名文を書く必要はない
 12.前向きな姿勢をキープする
 13.自分にとって新しいネタに挑戦する

以上13個ですが、個人的には太字にした5つを大事にしている、という話でした(この5つについては、2年半たった今でも変わらず実践しています)。

3.今日の反省を明日に活かすコツ 

冒頭でご紹介した「週記」を実践するうえで、そもそも「振り返る」ためには毎日何かしら書き残さないといけないよね、ということで「日記」をどう書くかという問いに対する答えです。

具体的には、『一日5分奇跡を起こす4行日記』という本で紹介されている「4行日記」という手法を紹介しています。これをブログで実践するのですが、それによって次のようなメリットが得られます。

週に1度、日々の4行日記を読み返す際に、「教訓」だけをざーっと拾い読みしたり、「宣言」をひたすら遡っていったり、といった効率の良い振り返りができます。

「わー、同じこと宣言してる!」「言葉が違うだけで実態は同じ教訓がたくさんある…」という、あまりうれしくない発見もありますが、逆に言えばそれが自分のウィークポイントと言えるでしょう。「来週はこの教訓を実行できるようになろう」というように目標を具体的にフォーカスすることができます。しかも、それは誰かの本を読んで「お、これええやん!」と仕入れたノウハウではなく、自分自身の行動から生まれた自分だけのコツなわけですから、それが実現できれば効果も満足度も断然大きくなります。

4.満足度の高いブログを長く続けるコツ 

ブログは長く続ければ続けるほど、そこから得られる“収穫”も大きくなるわけですが、そのためには当然のことながら長く続ける必要があります。

ブログに限らず、やっていて楽しかったり充実感が得られたりするものでなければ、長続きするはずもありませんから、どうすれば満足度の高いエントリーを書き続けられるかが出発点になっています。

具体的には、2週間の間に自分が書いたエントリーについて、書いた時間・かかった時間・満足度を振り返り、そこから普遍的な原則を導きだそうとしています。

この時点(2006年3月13日)では、次の3つがポイントのようです。

 1.参考になる本やサイトからの引用が含まれている
 2.ところどころにリスト形式でポイントがまとめられている
 3.内容の流れが一直線で完結している

そして、これは今でもしっくり来ます。満足度の高いエントリーに注目することで、自分が拠っている原則を効率よく浮かび上がらせることができるわけです。

5.ブログを読み返すことの効用 

ブログに書かれた内容というのは、わざわざ書くという手間暇をかけるに値するもの、あるいは放っておけなかったものであるといえます。言い換えれば、自分の関心のフィルタで集めた情報がそこにあるといえますから、読み返すことで、自分を客観的に見つめ直すことにもなります。

また、次のようなメリットも。

いざ書こうとすると、考えていたことが思うように書けなかったりしますし、改めて文字にしてみると、書く前に想像していたのとは別の切り口が見えてきたり、といった体験ができます。

さらに、書き残しておけば、後で読み返すことができます。読み返すことは、書いた時の思考をなぞること。例えば、ブログを読み返すことは、過去の自分(=他人)の行動をなぞる行為と言えます。

その時は未解決であったことでも時間がたって他人になった自分なら解決できるかも知れません。少なくとも別のアイデアが浮かぶ可能性は十分にあるでしょう。そして、この「なぞる」行為は、未来に同様な事態に直面した時を想定したシミュレーションをすることになります。つまり、次回の本番のための準備をすることができるわけです。

そして、このような思わぬ出会いを積極的にプロデュース(時間を超えたセルフプロデュース)するメソッドが以下でご紹介した手帳術、ということになります。

» 大量の情報を“放し飼い”にしながらアイデアを生み出す方法 

6.思考や行動の“跡”をつけておく効用 

そんな「思わぬ出会い」の実践事例がSteve Jobsのスピーチにありました。大学をドロップアウトして暇に任せて興味本位で受講した(ドロップインした)カリグラフィのコースでの学びがあったからこそ、それがMacに美しいフォント機能をもたらすこととなった、というエピソードです。

日々過ぎ去っていくあれこれをブログというトングでピックアップしておくことは、それが自分の関心に沿っている限りはいつかどこかで実を結びうる、というわけです。

「これを書いておくと、後々このような役に立つ」という明確な目的意識のもとで書く場合もあるでしょう。でも、それとは別に、理由もなく書き残しておきたい衝動に駆られることもまたあるもの。

例えば、たまたま目にした新聞記事を「何となく気になる」という理由で切り抜くことがあったとしても、とりあえず自分の言葉で1行でもいいのでコメントや感想を添えておくことで、それが“伏線”に変わりえます。

時間と空間には限りがあるので、あらゆる「何となく気になる」を残らず切り抜くことは不可能ですが、可能な限り抜き書きして、自分の言葉でピン止めしておくことで、それがSteve Jobsの言うところの「dot(点)」として、後々の自分の地平線を描くことになるかも知れません。

7.ブログで自分の思考を視覚化する方法 

とはいえ、「いつか役に立つかもしれない」という不確実であいまいな見通しでは、「他にもやるべきことがたくさんある」人にとっては優先順位は低いままでしょう。

そこで、積極的に「思わぬ出会い」を引き起こすための具体的な方法を『3時間で「専門家」になる私の方法』の内容をヒントに考えています。

ダイレクトには決して結びつかない検索キーワードとブログのエントリーを、他の人の思考を間に介在させることによって、ピピッと結びつけてしまう。そのピピッと結びつける稲光のようなものが、つまりはこれまでセレンディピティと呼ばれていた「偶然に幸運を見つける能力」を顕在化させたものではないかと思うのです。

キーワードは、タグとクオリアとセレンディピティ。

最後に

いろいろと書いてきましたが、ブログを継続することは1つの手段に過ぎないので、継続の先に何を実現させたいのかが本当に問われるところだと思っています。

とはいえ、それが明確になってからブログを始めるべきである、などというつもりはありません。なぜなら、ブログを継続することによって、自分が何を実現させたいかが浮き彫りになる、ということが多々あるからです。

それが以下の本のテーマです。この本の刊行から2年たった今も、僕自身が追いかけているテーマはほとんど変わっていないことに、今回のエントリーを書きながら改めて気づかされました。