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「いい」と思った本の内容を確実に身につける方法
2008/02/13 Wed 23:59 by 大橋 悦夫 このエントリをはてなブックマークに追加 このエントリを含むはてなブックマーク

タグ:もっと本を読みたいとき / 学習効果を高めるために / 『扉の法則』 / 『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』

本はけっこう読む方だと思いますが、たくさん読むことで得られるメリットは、

 読んだ本の数に応じた知識が得られること

ではなく、

 自分に合った本に出会うチャンスが得られること

だと思っています。


パッとハッ


読書は人づきあいと同じで、どれだけ深くつきあえるかが問われます。深くつきあうには自分をさらけ出す必要がありますが、だからこそそれに応えてもらえる、という呼応関係が生まれます。

機会があれば改めて詳しくご紹介したい本ですが、『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』という本に次のような一節があり、ハッとさせられます。

ちょっと見ただけで、パッと全体をつかむ人がいますが、実はそういう人がいちばん危険です。本質的なものを見逃していながら、そのことに気づかずに、分かったような気になって誤った判断をし、誤った行動を起こしてしまう可能性があるからです。(p.33)

言い換えると、物事には奥行きがあって、深いところまで見れば見るほど、その先にまだ、見えていないことがたくさんあることが分かってくるのです。(p.34)

ここで、ハッとされた方は、今回ご紹介する本からもより多くのことを学べるでしょう。

『扉の法則』

以前から本書に取り上げられているロックフェラーの言葉ジム・ローンの言葉などをご紹介してきましたが、個人的にはこの本は次のように使う(≠読む)といいと思っています。

 1.ざっと一通り読む
 2.各項目を質問化する
 3.各質問に答えていく
 4.質問にYesと答えられない、あるいはピンと来なければ本文を読む
 5.具体的に何をどうすればいいかを知る
 6.3に戻る


1.ざっと一通り読む


1時間もあれば読めるでしょう。


2.各項目を質問化する


ここがキモです。といっても、極めて簡単。

例えば、以下は第3章の項目ですが、

 24.仕事をして幸せを感じる
 25.仕事を楽しむ
 26.まず「やります」と言う
 27.目標を細分化する
 28.給料以上の仕事をする
 29.小さな仕事に全力を尽くす
 30.誰とでも力を合わせて働く
 31.チームの利益を優先する
 32.ことあるごとに相手をほめる
 33.埋もれた才能を見いだす


これらを目次上で改めて眺めてみます。ざっとであれ一度読んでいますから、項目のタイトルを目にするだけで、だいたいどんな話が書かれていたかがわかるはずです。当然、詳細に思いだせる項目もあれば、さっぱり思いだせない項目もあるでしょう。

この時点では思いだせるかどうかは問題にしません。代わりにすべての項目を質問化します。

 24.仕事をして幸せを感じているか?
 25.仕事を楽しんでいるか?
 26.まず「やります」と言っているか?
 27.目標を細分化しているか?
 28.給料以上の仕事をしているか?
 29.小さな仕事に全力を尽くしているか?
 30.誰とでも力を合わせて働いているか?
 31.チームの利益を優先しているか?
 32.ことあるごとに相手をほめているか?
 33.埋もれた才能を見いだしているか?


単純に語尾を「〜しているか?」という質問文に変えただけですが、その瞬間からこれらの項目は、チェックリストに変わります。

ここまでが準備。
つぎからが実践。


3.各質問に答えていく


本書には全部で50の項目がありますから、50の質問ができることになります。これらの質問に自信をもってYesと答えられるかどうかをチェックしてくようにします。


4.質問にYesと答えられない、あるいはピンと来なければ本文を読む


Yesと答えられなければ、それは、その項目について理解はしているものの実践に至っていない、ということですから、本文を参照して、どうすれば実践できるかのヒントを探ります。一度読んでいるはずなのに、「どうすれば実践できるか?」という問題意識をもって読み返してみると、新たな発見があるものです。

Yes/No以前に何の話だったかを思いだせない、という場合でも、やはり本文を読み返します。記憶に残っていないということは、その項目に対する理解が浅かった、ということの何よりもの証拠です。この瞬間、自分がさらけ出されます。すなわち、自分が知らなかったこととの出会いです。


5.具体的に何をどうすればいいかを知る


本文を読み返すことを通して、質問に自信をもってYesと答えるにはどうすればいいかを考えます。本文にズバリ書いていることもあるでしょうし、ヒントが示されている場合もあるでしょう。仮にノーヒントであっても、方向性が得られるだけでも行動を起こすには充分です。

行動を起こせば、必ず何らかの結果が跳ね返ってきます。この結果がYesに自信を帯びさせます。


無理なく続けるには


とはいえ、毎日これら50項目をチェックしていたのでは、チェック作業だけで相当な時間がかかってしまい、現実的ではありません。そもそも一度に50もの項目に注意を払うことは不可能でしょう。

必然的に絞り込むことになります。

上記に引いた第3章には「幸せに働く」というタイトルがついています。つまり、先の10項目は「幸せに働く」というテーマに沿った項目群ということになります。

例えば、「今月は幸せに働く強化月間!」などと期間を決めて取り組むのもいいでしょう。ベンジャミン・フランクリンのように。

» フランクリンが実践した良い習慣の作り方と続け方──『フランクリン自伝』

いずれもかなり厳しい内容であり、これをすべて実践するのは困難に思える。いったいフランクリンはこの十三徳にどのように取り組んだのか。まずは次の表を見てほしい。このような“ウイークリーチャレンジシート”を作り、毎週1つずつ「今週の課題徳」を決め、これに沿った形で生活を送ったのだ。



1つの学びはそれが学びでなくなるまで形を変えて現れる


本を読んでいる最中に、

 「これはいい!」
 「激しく同意!」
 「やってみよう!」

などと心動かされたとしても、盛り上がった気持ちは本を読み終えると同時に「しゅるるるる…」としぼんでしまうものです。

そこで、このように本を読んでいて「自分の生活や仕事に取り入れたい!」と思える記述にぶつかったら、質問化するようにします。そして、この質問に答える形で行動を変えていくわけです。

これは、「意識して何かをする」キャパシティを超えるための工夫といえます。「意識して何かをする」のは手間がかかります。手間がかかることは敬遠されがちです。だから、続かないのです。

「無意識にできる」ようになれば、そもそも手間とは無縁の世界ですから、気づいたら続いている、ということになるでしょう。

こうして、1冊の本をまるまる自分のものにしてしまえば、次の本で読むべき箇所は減るはずです。理解できているだけでなく、実践を通して身をもって分かっていることが増えているからです。

これを繰り返していくと、本を読むという行為は、自分にとって実践できていないこと、あるいは自分が間違って実践していることに気づく、そんな気づきに出会うための“逢い引き”の様相を呈してくるでしょう。

この逆は、どこかにいるかもしれない“青い鳥”を求める姿勢、ということになります。


たまたま本書は質問化しやすい内容でしたが、本書以外でも今回ご紹介した方法は使えるはずです。


▼「いい」と思った本の内容を確実に身につける方法
» 質問化して実践できるまで自問を繰り返す。

▼関連:
「二者択一」化して行動を後押しする──『扉の法則』(ITmedia) 
続く習慣を作るには?(2)(ITmedia) 
年収2000万への道 
「ブログは無料で発行できる貨幣である」 
読書を習慣化するコツ 
なぜ「実際にやってみる」ことが大切なのか 
ビジネス本を楽しく読むコツ 
知りえたことを行動に移すコツ・実践編 




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