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続く習慣を作るための初期設定
2008/01/14 Mon 23:59 by 大橋 悦夫 このエントリをはてなブックマークに追加 このエントリを含むはてなブックマーク

タグ:習慣を変えるコツ / 『夢をかなえるゾウ』 / 『秘伝すごい会議』 / 『好きなことには集中できるのに、仕事になると集中できない人へ』

去る1月12日(土)に、下記のイベントがありました。

 "Let's Hacks!" 新春茶話会

特にプレゼンをするわけでもなく、フタを開けるまでどんなイベントになるか僕自身もよくわからない状況でしたが、終わってみると我ながら非常に“実”のある2時間になりました(ひとえに参加者の皆さんの積極的な取り組みのおかげです、ありがとうございます!)。

最初こそぎこちなく談笑するにとどまっていた全12名の参加者でしたが、少人数ということもあり一通りの自己紹介を済ませたうえで、さっそく以下のワークに取りかかります。


 1.数値目標の設定
 2.ゴールイメージの確認


1.数値目標の設定


文字通り、数値化可能な目標の設定です。数値化可能ということは、後から達成度合いを数字で確認・評価できるということです。これに加えて、期限も定めます。例えば、以下のように。

1月31日までに平均就寝時刻を25:00にする

これが決まることによって、具体的な行動が導き出されます。


2.ゴールイメージの確認


期限までに数値目標を達成するというゴールができたわけですが、「目標を達成することによって、何を実現したいか」、あるいは「目標を達成した先にある自分」をイメージするのがこのステップ。言い換えれば、数値目標を達成する自分にとっての価値を決めることになります。

先の例に沿うなら、以下のような感じです。

自然と早起きができる自分になる

ここまで考えると、具体的に何を捨てて、何を拾うかの基準が自然と浮かび上がってくるはずです。


みんなで作る


こういったことは一人でもできる作業です。でも、今回のように何人かで寄り集まって行うことで新たなメリットが生まれます。

まず、講師(今回は何も教えてませんので、ファシリテーターという位置づけでしょうか)の存在が参加者のポテンシャルを引き出します(ピグマリオン効果)。お茶やお菓子を楽しみながらリラックスした雰囲気で行われたということもあり、日頃から課題に感じていることをうまく数値目標に落とし込むことができたようです。

次に、参加者同士はお互いに見られていますからサボれません(ホーソーン効果)。

そして、サボれないばかりでなく、お互いに刺激を与え合うことになります(ピア・プレッシャー)。

数値目標とゴールイメージは、一人ずつ発表し、それに対して全員からツッコミを入れられます。このプロセスでブラッシュアップが促されるのです。

自分が掲げた目標やゴールは、自分のものであるがゆえに愛着もあり、なかなか変えがたいものです。無理があったり非現実的なものになっていても自分では気づきにくいのです。こういったことを他人の目を通して気づかせてもらえるわけです。


「戦略的フォーカス」に倣う


今回のような、数値目標とゴールイメージという2つの視点で長期的な行動計画(あるいは行動ステートメント)を作る方法は、『秘伝すごい会議』に出てくる「戦略的フォーカス」というメソッドににインスパイアされてやってみたものです。

(1)戦略的フォーカスとは

戦略的フォーカスとは、このチームによって「何が」主な成果として創り出されるかについての宣言文で、特定の「日付」と、どんな「インパクト」があるかという記述を含みます。

これはどのようにして目標とするゴールを達成するのかの説明文ではありません。この目標は行動背景、または羅針盤として、実際に必要となってくる様々な事柄に優先順位を付けるために創られます。

(2)戦略的フォーカスは、3行の文章で表現する

(3)1行目には、6ヶ月から1年以内の日付を入れる

(4)2行目には、効果測定できる経営指標を入れる

(5)3行目には、2行目の経営指標が手に入ったら自分たちにとってどんな価値があるかを入れる。

数値目標は比較的決めやすいのですが、ゴールイメージが難しい。そして、ここは抑圧からの解放に目を奪われがちです。

どういうことかというと、現在置かれている状況下でやりたくても実現できていないことにプライオリティが高くつけられる傾向があるのです。

例えば、仕事が多忙を極め、読みたい本がなかなか読めない、という状況下にいる人は、次のような数値目標とゴールイメージを描くことがあります。

 1.3/31までに平均退社時刻を20:00にする
 2.夜の時間を自宅でのんびりと本を読んで過ごせるようになる


「本をたくさん読みたい」という思いが強いばかりに、それが目的にすり替わってしまいかねないのです。ことビジネス書に関しては、読書は何かのための手段であって、目指すべきところではないでしょう。

そうなると、「自宅でのんびりと本を読んで過ごせるようになる」では、目指すものとしては魅力に欠けます。つまり、それなりの苦労を重ねることになるわけですから、それなりのリターンが欲しいものです。これに見合うリターンが得られないとわかれば、他にももっと魅力的なオプションを求めて容易にそちらに流れてしまうでしょう。

そこで、参加者同士でツッコミを入れあってもらいます。実はこれがよく“効く”のです。

 「○○さんは、どうしてそれを目指したいんですか?」
 「その数値目標はチャレンジングなものですか?」

などの揺さぶりや問いかけによって、何よりも本人が本気でそれを目指しているかどうかを知ることができるでしょう。

また、考えていること、目指していることを積極的に人に語ることによって、それがにわかに現実味を帯びることもあります。例えば、今回の参加者の中には、普段から何となく考えていたものの、実行に移すことはなかったことをゴールとして設定できた、という方がおられました。

これと関連して、『夢をかなえるゾウ』のガネーシャは「語る効用」について次のように述べています。

「よし、そしたら、その話、誰かにしてみいや」
「その話って、建築の仕事の話ですか?」
「そうや。仕事の話っちゅうか、まあ自分の夢やな。これからかなえていこう、いう将来の夢。それを誰かに話してみいや。ちなみにふだん、人に将来の夢とか話したりすることってあるん?」
「ほとんどないですね。一回もないかもしれません」
「なんで?」
「それは、まだ自分の夢がなんなのか分かってないというのもあると思いますが……やはり恥ずかしいからじゃないですか? 大きいこと言って結果が出ないのって恥ずかしいですよね」
「なるほどな」

この後、「恥ずかしさ」を克服するコツが語られているのですが、今回のイベントはお茶会ということでリラックスした雰囲気が参加者たちをして「恥ずかしさ」を乗り越えさせたのではないか、と思っています。



“脱線”を予防するには


最近読んだ『好きなことには集中できるのに、仕事になると集中できない人へ』という本に次のような一節があります。

ヴィジョンは「視力」を指す言葉から派生して、「大局観」、あるいは「将来の展望、計画」を意味するようになりました。

理想の実現のための手段を考え、そこに到達するまでの段階的ステージを設定し、さらに時間的な期限を設けた「具体的プロジェクト」こそがヴィジョンなのです。

今回のイベントで参加者に実践してもらったワークは、まさに「ヴィジョン」を策定する作業だったといえるでしょう。

本書については、今回のコンテクストとは別の意味で興味深い内容が多かったため、また改めてご紹介したいと思います。



2008年の目標がまだ決まっていないという方、あるいは早くも見直したいと考えられている方は、今回ご紹介した方法で「ヴィジョン」を作ってみるのもいいかもしれません。


▼関連:
まず、今年やらないことを決める 
『チームハックス』序章(2)「予定と実績の共有」がもたらすもの 
習慣継続のための4つのアクション 
時間を正確に区切る効用 




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