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「自分が2年以上続けられていること」を振り返る

2007-12-19(水)付の大橋さんの記事に、

では、努力の成果が現れるまでにはどれぐらいの時間が必要かといえば、著者は「2年間」としています。

とありました。それでは、ということで「自分自身、2年以上続けられていること」を振り返ってみたいと思います。

2年以上続いたこと

まずは「テニス」。
つい昨日始めたばかりのような感覚でいるのですが、振り返ってみればもう15年くらい続けています。もっとうまくなってしかるべきではないか? とも思いますが。

次に「英語」。
留学時代以後に絞っても5年以上にはなります。私の英語は、傍目にはたいしたレベルではないでしょうが、自分としては「こんなものだろう」という気持ちが強いです。

それから「物書き」。
職業としてからでも、2年以上は続いています。言うまでもなく、職業としているから続いているという面はあります。しかし、大学時代に「文芸部」っぽいところにいたことを思えば、お金にもなんにもならずとも、自分はものを書き続けそうです。

それから一応、「ピアノ」「水泳」「野球」などをあげておきます。いずれも今はやっていませんが、「2年」は続いていました。子供の頃のことです。

こうしてみると、たしかに「2年以上」続いたものには、一定の成果が上がっています。「ピアノ」に関しては、やっただけのことがなかったような気もしますが、他は「やらなかったとき」に比べればはるかにマシな成果が上がっています。

これを可能にしたのは、私が考えるに「記憶」です。脳の中には「シナプス」と呼ばれる神経細胞がぎっしりつまっているわけですが、何かをマスターしていくにつれて、神経細胞が「刈り込み」されていくのです。

そうすることで、必要な細胞だけが効率的に働けるようになる、というわけです。2年やれば相当の変化があるのでしょう。

子供の頃の私はボールが怖くてキャッチボールもできませんでしたが、2年もやった後には、野球が大してうまくならずともボールを恐れるという感覚自体、縁遠くなりました。恐怖を呼び覚ます神経回路が、野球のボールの認知から切除されたのかもしれません。

時間を惜しまないことが長期継続のコツ

自分のことをこうして振り返ってみますと、子供の頃の方がいわゆる「継続力」があったようです。しかしそれは自分の力と言うよりも、周囲(特に親)に強制されての結果です。したがって「2年以上」続けるハックの1つとして、とにかく何者かに強制されることということはありそうです。

その他に、子供の頃に物事がよく続けられた理由として、ヒマだったということがあります。ヒマでしたから子供の頃には、「今さら始めたってものにならない」などという考え方自体を持っていませんでした。

これは当たり前のことです。特別の志を持つ子供だったとか、親が特殊な人だったというのであればともかく、キャッチボールもままならないような子供が、プロを目指すはずがないのです。だから「今始めたところで、いつものになるか」などという悩みはありませんでした。「ものにしよう」という気持ち自体、私は持っていませんでした。

挫折したことを考えてみると、このことがいっそうよく分かります。挫折したというのは、決まって時間を惜しんだ結果でした。例えば私は一時「社労士」を目指して挫折した経験がありますし、受験生時代、理系として現役合格を目指しましたが失敗しました。いずれも、「急いで成果を出そう」とした挙げ句の失敗でした。

努力の成果が現れるまでにはどれぐらいの時間が必要かといえば、「2年間」

と一口に言っても、これは効率のいい方で、場合によっては成果を出すのにかかるのは2年間、の前の段階に3年間、ということも十分考えられます。こうした「遠い先の厳しい見通し」を意識するために挫折する、ということはとても多いような気がします。

いい大人が時間のことを考えずに済ませられるはずはないのですが、「将来を考えればそんなに時間はかけられない」という考えは、挫折を正当化する絶好の言い訳として機能してしまいます。(私の知る限り、挫折した留学生はみなこの「考え」に呪われて帰国していったものです)。

だからといって、「後先のことは考えるな」などと言うのは無責任な他人の言うことです。当人は必ず考え、必ずと言っていいほど不安に苛まれます。だから私の考えでは、努力の成果を手にできるかどうかは、この種の不安を抱えながら精を出せるかどうかにかかっていると思います。

ただしこの不安な焦りの気持ちは、2年も続きはしません。経験的には初めの3ヶ月といったところです。この3ヶ月を子供のように、誰かに強制されながらでも、とにかく精力的に続けていれば、3ヶ月後には「成果の2年間」に向かって、リズムに乗ることができるようになります。