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自分の「仕組み」を生み育てる
2007/05/18 Fri 10:28 by 大橋 悦夫 このエントリをはてなブックマークに追加 このエントリを含むはてなブックマーク

タグ:ブログをうまく活用するには? / 書籍紹介 / 継続力をつけるには? / 学習効果を高めるために / 『年収10倍アップ勉強法』

GW中に読み終えていたものの、タイミングが合わずに今になってしまいましたが、明後日5/20(日)のセミナーでご一緒させていただく勝間和代さんの『無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法』のご紹介です。


各地の書店店頭に山積みになっていたり、ランキングでも常に上位をキープしていることもあり、すでに多くの方に読まれているとは思いますが、この本から学べることは「勉強の方法」だけにとどまらないと感じています。


自分という人間を観察し、これにフィットした「仕組み」を作る


「はじめに」には以下のように書かれています。

勉強も、スポーツも、目に見えて成果が出るようになるまでには、ある程度時間がかかるものですが、そもそも人間の仕組みが、なかなか成果の現れないものよりも目の前に迫る緊急の大事なことを優先するようにできているのです。

この文の直前に、

私は、人間の意志の力などというものを、実は、まったく信じていません。

という一文があるのですが、この姿勢も含めて大変共感できます。


仕事においても、例えば、先送りが重なって翌日に大量の仕事を持ち越してしまうような場合に

 「明日は気合いを入れてやらなければ!」

と心に誓っても、それは「先行エクスキューズ」(=後から「気合いを入れたけど終わらなかった」と言い訳できる)でしかなく、できるかどうかわからないという不安を打ち消すために自分に言い聞かせるおまじないのようなものです。言っている本人も内心では「たぶん無理だろうけど…」と思っているのではないでしょうか。

であれば、「どうしたら確実に明日を乗り越えられるか?」という自問を通して、1つでも2つでも対策を考えることに時間を使った方が、明日をよりポジティブに迎えられると思うのです。

できれば、少し時間を巻き戻して、上記のような袋小路に追い詰められてしまう前に打つべき手を打っておくのがより有効な対策となるはずです。

そこで登場するのが「仕組み」です。

引用箇所は前後しますが、冒頭の引用に先だって書かれているのが以下のくだり。

勉強はスポーツと同じで、ちょっとした「コツ」が必要と言いましたが、どんなスポーツを上達させるにも、スクワットや走り込みなど、とても地味なトレーニングの積み重ねが必要です。ところが、その時点では、なかなか成果が見えないため、成果が出る前に、いやになってしまいがちです。

勉強も同じです。ふつうに独学で、何の仕組みもつくらずに、我流でやってしまうと、その基礎体力づくりが続きません。

ということで、勉強を継続させるために役立つ、著者本人が実践している様々な「仕組み」が紹介されていくのですが、そもそもこのような「仕組み」が有効に機能するためには、自分で自分のことをわかっておく必要があるでしょう。

例えば、日中はどうしてもメールチェックなど予定外の「漂流」を繰り返してしまうのであれば、そういう自分になってしまう原因を探る、あるいは「漂流」そのものを予定に入れてしまう、などの自分の“外堀”を埋める方向で対策を検討します。自分そのものを変えようと思ってもすぐには変わらないからです。

このようなプロセスを経て、自分にフィットした「仕組み」が作られていきます。


早いうちに「うまくいった」という実績を作る


「仕組み」を作ってもこれを使い込んでいかなければ、自分の行動は変わりませんので、作ったらすぐに使うようにしたいものです。でも、作ったことに満足してしまってさっぱり使わないということは少なくありません。計画を立てても実行しなければ意味がないのと同様に、「仕組み」には人を魅了する形式美のようなものがあるようです。

そこで、「仕組み」は最初はなるべくシンプルなものにとどめておき、使っていく中で少しずつ改善を加えていく方がよいでしょう。これは、使い始めるタイミングを少しでも早めることによって、その分だけ成果が得られるタイミングを前倒しにするためです。つまり、小さくても良いので、なるべく早く成功実績を作るわけです。

一度でも、勉強すれば年収が上がる、というのを実感した人は、今度はムキになって勉強するようになります。

これは、仕事でも同様で、

 やってみた → いつもより5分早く終わった! → またやろう(=ムキになる)

というポジティブなスパイラルを作り出すうえでの後押しになります。


「うまくいった」ことを人に話す


「仕組み」がうまく回るようになったら、その仕組みを周りの人に自慢すると自分のモチベーションアップにつながります。「人の役に立ちそうなことを話せている自分」というものに自信がわいてきますし、さらに自分のやっていることを人が真似し始めようものなら、さらに「ムキ」になれるでしょう。

そして、話すことそのものにも意味があります。

人間の思考や、考えていること、思っていること、覚えたと思っていることというのは、実は非常に曖昧なものです。いま、私は考えてきたことを、ここで文章にしていますが、もし、ことばでうまく表現できないことがあるとしたら、それは、実は、まだよくわかっていない部分があるということです。たとえ勉強してきたのだとしても、ことばにするほどにはわかっていなかったのです。

本を読んだり、人から聞いたことというのは、どんなにその内容が刺激的だったり印象的だったりしても、時がたてば忘れてしまうものです。自分で考えた「仕組み」であっても、いざ人に説明しようとすると言葉が出てこないということがあります。

自分でやってみてできることと、それを別の人に同じようにやってもらうこととの間には大きな隔たりがあるのです。文章にすることによってそれを確認することができるわけです。

和田秀樹氏は『受験は要領』(絶版)という本で以下のようなことを書いていましたが、まさにこの“架空授業”が「仕組み」の完成度を高めることになります。

(「暗記スランプを脱出するには」という項で4番目のコツとして)

人に教えるつもりで架空授業をやってみることだ。この方法は明治24年に出版された『成功遂志・勤学要訣』(ジョントッド著、吉田巳之訳)という知的ハウツー書にも紹介されている、昔からの有効な方法だ。

大学時代から、私はずっと英語と数学の家庭教師をしていたが、その際、もっとも難しかったのは、生徒にどのように理解させるかということだった。人にわかからせるためには、これでもか、これでもかという具合に、一つの問題を、いくつもの角度から検討することが必要であった。人に教えるときは、かんでふくめるように説明する必要がある。架空授業をやることは、これを自分自身にやってみるわけだ。

かんでふくめるような説明をするうちに、ふだんでは気づかないようなことに気づくはずである。

また、これは『効果10倍の“教える”技術―授業から企業研修まで』で紹介されていた事例ですが、以下のような研究結果もあり、「教える」ことの効果は絶大と言えるでしょう。

ちなみに、この老子が言ったことを数字で表したアメリカの研究者がいました。
それは、次の通りです(数字は、記憶に残る割合を表しています)。

 聞いたことは、  10%
 見たことは、   15%
 聞いてみたときは、20%
 話し合ったときは、40%
 体験したときは、 80%

ここまでは、老子が言ったこととだいたい合っています。それでは、「見つけたこと(発見したこと)は、できる」のレベルは、どのような体験に相当するか想像がつきますか?

 教えたときは、  90%

です。

話す相手がいなければ、ブログに書く、ということでもよいと思います。

 ・単に箇条書きでメモ風に書くのではなく、
 ・「詳しくはこちら」などと説明を外部委託することもせず、
 
多少時間がかかっても、それを誰かにわかりやすく教えるつもりで書くようにします。こうすることによって「教える」効果が得られるからです。

また、アクセス数に関係なく、誰かに読まれる可能性のあるところで文章を書く、という行為には、緊張感が伴いますし、あいまいなところがあれば、きちんと調べて書こうとするでしょう。この「改めて調べる」という一手間を自然と行えてしまうのがブログを書くメリットと言えます。周りに仲間がいなくても、ピアプレッシャーに近い効果が得られるわけです。



<関連>
私的なことがらを記録しよう!!(勝間和代さんのブログ)

「漂流」の流れ着く先に

それゆえ、あらかじめ自分がやりそうな「漂流」をスケジュールに組み込んでおくことで、少なくともその「漂流」はもはや「漂流」ではなくなるわけです。

もちろん、「漂流」ではなくなってしまうということは、やっていることは同じでも、本当の意味での「漂流」の感覚は味わえなくなってしまいます。例えば、現実逃避のスリルや自滅感がこれにあたります。でも、そうなればその「漂流」の自分(の仕事)にとっての意義が明らかになり、初めて正面から向き合えるようになる、ということはあるでしょう。

思考や行動の“跡”をつけておく効用

例えば、たまたま目にした新聞記事を「何となく気になる」という理由で切り抜くことがあったとしても、とりあえず自分の言葉で1行でもいいのでコメントや感想を添えておくことで、それが“伏線”に変わりえます。

時間と空間には限りがあるので、あらゆる「何となく気になる」を残らず切り抜くことは不可能ですが、可能な限り抜き書きして、自分の言葉でピン止めしておくことで、それがSteve Jobsの言うところの「dot(点)」として、後々の自分の地平線を描くことになるかも知れません。

掘り返してもらう

本を読んで「なるほど!」と思った部分を抜き書きしてノートに書いていく。思い出したときにノートを読み返すことで「あぁ、そうそう、こういうことが書いてあったっけ」というように掘り返すことができる。

でも、読み返さない限り掘り返されることはない。たとえ読者が数人だったとしても、その読書ノートをブログなどで公開するのであれば、誰かの目に触れることによって、掘り返してもらえることもある。





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