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心理ハック インセンティブのメッセージをよく考える

・フィットネスで走ったら、自分へのご褒美にアイス
・仕事を先延ばしにしたら、自分への罰として翌朝早起きする
・絵を描いたらご褒美としておやつをあげる(子供に)
・遅れてきたら、罰金一〇〇〇円
・違法駐車には罰金三万円

このようなメッセージをときどき見聞きしますが、自分ルールにせよ他人からの縛りがあるにせよ、インセンティブや罰を使うときには注意が必要です。というのも、人は解釈する生き物だからです。

たとえば一番最後の項目ですが、「ここは私有地ですので、駐車禁止です。違反者は見つけ次第、三万円をもらい受けます」といった立て札をときどき見かけます。私ならそのようなところにとめようとは思いませんが、「とにかく今車を駐車できさえすれば、五万円だって払うぞ!」というお金持ちな人がいたら、どうなるでしょう?

「遅れたら、罰金一〇〇〇円」

これも、ケースにより、メッセージを出している相手により、効果が変わってきそうです。現実にフランスのとある託児施設では、このようなメッセージを出したそうです。あまりにも保護者が遅刻するからでしょう。しかし託児施設の意図とはうらはらに、遅刻者は増加しました。「罰金さえ払えば、遅れてもいいのだ」と思われてしまったようです。

絵を描いたらご褒美としておやつをあげるようにすると、子供は絵を描かなくなる傾向にあるそうです。これは心理実験の結果です。実験結果に対する解釈は様々ありますが、要するに子供としては、「おやつをもらうために絵を描かなくても、おやつはもらえる」と判断したのでしょう。そうすると「絵を描くのが好きな子」でさえ、絵を描くのをやめてしまうといいます。

人は、解釈する生き物です。仕事やダイエットで自分にご褒美をあげるのは、定着しつつあるライフハックですが、それがかえって自分の先送りを誘発する原因とも、なり得るわけです。