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フラットな関係でチームを組む
2007/04/24 Tue 16:50 by 大橋 悦夫 このエントリをはてなブックマークに追加 このエントリを含むはてなブックマーク

タグ:人間関係を損なわない / 共同作業をうまく進める方法 / 仕事における社交術 / 他人の気持ちを推し量る / 『「伝説の社員」になれ!』

前回前々回に引き続き、『「伝説の社員」になれ!』を読んで、「なるほど!」と思ったことについて。

前回までは個人ワークに焦点を絞っていましたが、今回はチームワークに注目します。


フラットな人間関係に目を向ける


株と同じように、人にも、まだ多くの人が価値がわからないうちから目をつけ、一緒に伸びていくことを考えてください。

高額な費用を出して参加するセミナーには、優秀でやる気のある人が集まってきます。その場所で講師の話だけ聞いて帰るのは非常にもったいない。宝の山を前にして、踵(きびす)を返すようなものです。

異業種交流会もそうですが、セミナーでは講師に近づくのではなく、目の前の参加者に注目し、話し、名刺交換をしてください。

彼らのなかには、必ずあなたと一緒に伸びていく人がいます。

これからの成功をつくり出す近道は、すでに成功した人に近づくのではなく、一緒に組める身近な人を探すことです。

セミナーや講演会などに参加すると、終了後にその講演のスピーカーのもとに名刺交換のための行列ができるのをよく目にします。スピーカーとしては、よほどインパクトのある挨拶をした人でない限りは、ほとんど印象に残ることはないでしょう。

むしろ、たまたま席が隣になった方と名刺交換をする方がより良い縁が得られることが少なくありません。

以前、とあるセミナーに参加した折に、席が隣だった方から話しかけられ、名刺交換をしたことがありました。その方は近々会社を立ち上げられるとのことで、一方的にあれこれとビジネスプランについて熱心に話し始め、とりあえず聞いていました。

一通り最後まで話し終わると「ところであなたは何をされてるんですか?」と聞かれたので、仕事の概要を話したところ、「なるほど、おもしろいですね」とだけ言われて、立ち去って行かれました。

その3日ほど後になって、その方からメールが届きました。「是非一緒に仕事をしましょう」というオファーでした。その後、1年ほどその方とWeb立ち上げの仕事をすることになりました(何から何まで一方的だったことが印象に残っています)。

それゆえ、土井氏の言うとおり、「一緒に組める身近な人」は段差のある講師席よりもすぐ隣の席にいるものなのかも知れません。


他己紹介の技術を磨く


一緒に仕事をしている人を誰かに紹介するとき、単に名前を言うだけでは意味がありません。

「○○さんは、△△の分野でとても優秀なんですよ」と具体的なほめ言葉を添えることではじめて、強い印象を残します。紹介された人は、その人の価値がわかるし、そんなすばらしい人を紹介してくれたあなたにも感謝します。

紹介する人、される人、双方がいい印象をもつことになるのです。

ところが、名刺交換会や異業種交流会など、紹介したりされたりという数が多い場合、「優秀な人」がやたら多すぎて、結局、相手の記憶に残らないケースもあるようです。

つまり「優秀な人」というのは、本気にしてもお世辞にしても、抽象的なほめ言葉ということ。

そこで、「この人は、どこがどのように優秀なのか」を、一言で言えるようにしておきましょう。そうすれば、ほめ言葉はより確実に、紹介相手だけではなく、紹介される本人にも意外な驚き、嬉しさをもたらします。

人と人が知り合う際に、自分で自分のことを紹介する自己紹介以外に、共通の知人を介して他己紹介をするという方法があります。初対面同氏である2人を知っている仲介者を通して引き合わせるもので、紹介される側にとっては、目の前にいる人についての「第三者からの評価」が同時に得られるというメリットが生まれます。

Webでも、現在読んでいる記事がどのような評価をされているかを知りたいと思えば、ソーシャルブックマークのコメントをチェックする、ということがあります。そこで、様々な人の意見を目にすることで、目の前の記事を多角的に見ることができるからです。

このような読み方に慣れていると、紙の雑誌記事などを読んでいる時にも同じように反応してしまうことがあります。つまり、一瞬「この記事のブックマークコメントを読んでみたい!」という衝動にかられるのです。紙である限りはそんなことは無理ですから、すぐに「あ、これ紙だった…」と気づくのですが、実に釈然としない気持ちになります。

人については、「この人のブックマークコメントを読んでみたい!」と思えば、その人とつながっている紹介者からの「コメント」のおかげで、この種の「衝動」はある程度解放されるでしょう。

そう考えると、初めての人に会う際には、2対2などの複数人ずつで他己紹介し合うのが良いのかも知れません。


必要なナンクセは積極的につける


一緒に組んで仕事をしている場合、お互いに言いたいことを口にするのは必要ですが、長所を口にすることで、より遠慮なく本音が言いあえるようになります。

長所や愛情を当然のこととして、あえて口にしないために、関係がねじれていく場合があります。親子でも恋人でも、「好きなのは当然じゃない」と、あえて表現しないから誤解を生むケースはあるもの。まして他人なら、相手の良さを口にしないと、もっと誤解を生むことが。

ほめ言葉は直接相手に言うとお世辞に聞こえる場合がありますが、人に紹介するときにほめると、先に述べたとおり「こんなふうに思ってくれていたんだ」となって、効果は絶大です。

普段一緒に仕事をしている仲間同士の間では、いわゆる「つーかー」や「あうん」が醸成されていることが多いため、その分だけ仕事がしやすくなります。

それぞれが持っている知識や考え方について、シェアできている部分が多いため、断片的な言葉からも「あぁ、あのことを言ってるのね」と察することができるからです。

さらに、お互いに相手を補完できるような自分の特性を発揮することで、活かし合うこともできるでしょう。

とは言え、このような良いことばかりではありません。相手が持っているのは、自分の不足を補完する特性ばかりではなく、自分だったら絶対にしないようなミスを頻繁に繰り返すような望ましくない習性も「抱き合わせ」ています。別々の人間同士ゆえ、様々なことについての基準がまちまちですから、いちいち腹を立てていると続きません。

それでも、必要なナンクセは積極的につけなければならないと思っています。せっかく2人で仕事をしていても2人分の力を発揮しきれないからです。

そこで、ナンクセをつける際には、まず、相手があまり意識していないであろう「すごいポイント」を指摘します。「いやぁ、なかなかこういうことを自然にできる人はいないですよ」などと。

そのポイントを相手が自覚していた場合は、あまり効果は得られませんが、一緒に仕事をしていれば、「これは絶対に無意識にやっているに違いない!」という言動がいくつか見つかるはずですので、めげずに別のポイントを指摘し続けます。

そうしておけば、ナンクセをつけても相手はさほどショックを受けずに聞き入れてくれるでしょう。もちろん、そんな「媚び」などもはや不必要かも知れませんが、それでも土井氏の「あえて口にしないために、関係がねじれていく」ことは自分の意識できていないところからこそ生じるものですから、やはり必要な心がけなのではないか、と改めて感じます。

こうして心理的なバリアを乗り越えながら、お互いにつけ合ったナンクセの数だけ、共同作業のクオリティがアップすると考えています。


以上ご紹介した3つの姿勢は、いずれも年齢や職位などの「段差」は忘れて、目指すところのもとでのフラットな関係を築くことがその出発点となるでしょう。


<関連>
『「伝説の社員」になれ!』
自分と補完関係にある対象を探す

自分の初期の状態を「不足のある状態」とみなしたうえで、何が補われれば自分が理想とする「完全な状態」になれるのか、というベクトルを持つ、というわけです。単に理想や目標を持つだけでなく、「今の自分」に目を向け、「何が不足しているのか」という現状を把握するという点が新しく感じられました。

その場で知り合った人を第三者に紹介する(他己紹介について)

よりよいディスカッションをするためには、チームメンバーが相互に素早く知り合えることが望ましいのですが、これを促進するために、メンバーが一人ずつめいめいの自己紹介をする代わりに、以下のような2段階に分ける方式を採りました。

 1.6人チームの中で隣同士2人がペアになってお互いに自己紹介
 2.ペアのうちの1人が相方を残りのチームメンバー全員に他己紹介

最初にAさんとBさんがお互いに自己紹介をしあいます。その後、Aさんは他のチームメンバーに対して、Bさんはどんな人なのかを紹介します。続いてBさんがAさんを同じように紹介します。6人チームなので全部で3セット。

参加者の方からは、

自分で自分のことを紹介するよりも、“紹介しあいっこ”をする方が、早く打ち解けることができる。

といったコメントをいただきました。

このような、自分の知り合いを第三者に紹介するというシチュエーションは、ある程度深い人間関係がすでに構築されていることが前提になります。それが、その日に知り合ったばかりの人を第三者に紹介することになるわけで、あたかもすでに旧知の仲であるところの友人を紹介するかのような雰囲気が生まれ、自然とチームの雰囲気も打ち解けたものになりやすいわけです。

名刺の「歩留まり」

でも、セミナーの場で、受講者が講師と名刺交換をするような場合は、受講者にとっては講師のことはある程度把握できているわけですから、「よろしく」や「今日はありがとう」といった挨拶だけの名刺交換であれば、しなくてもいいかも、と考える人もいるでしょう。私自身は「しない派」です。

具体的な質問があったり、協業プランがあるなどの「ネタ」があれば、名刺交換をする意味もありますが、そうでなければお互いに虚しい行為をしていることになりかねません。





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