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常識というウィルスを駆除する
2007/04/06 Fri 23:59 by 大橋 悦夫 このエントリをはてなブックマークに追加 このエントリを含むはてなブックマーク

タグ:書籍紹介 / 自分の活かし方を考える / 「成功」に近づくために / 『頭のいい人が儲からない理由』

すっかり更新が遅れてしまいましたが(今は土曜日の深夜…)、金曜日に読んだ『頭のいい人が儲からない理由』という本について書こうと思いつつ、うまくまとめられず、とりあえず金曜版として、まずはさらりとご紹介することにします。

以下、「まえがき」より。


あふれる情報の波にさらされ、しかも、強迫観念から自らの情報収集行為をやめられず、未消化で雑多な情報の海に飲み込まれ、おぼれて窒息寸前の人々。

当たり前のことだが、そんなふうに受け身に情報を受け取るだけでは、まるでアウトプットに活用できない。何年も何十年もかけて溜め込んだスクラップ・ブックなど、読み返されることはないだろう。

私の周りも、そんな人ばかりで、何とか助けてあげたいと常日頃思っていた。そこに舞い込んだ本書の執筆の話で、いくらかそういう人々を救う手助けになるのではないかと考え、それを引き受けることにした。

(中略)

本書の根底を流れる思想は、「戦略と戦術とはまったく違う。戦術の延長線上には戦略はない」ということだ。戦略のとり方によっては、売らないほうが売れたり、努力しないほうが結果がよかったり、鈍くさい人がトップになったほうがビジネスに成功したりする。

そんな常識にはずれたことばかりが本書には登場するが、常識こそウィルスである。もうすでに感染しているのに気づかない。気づかないまま寿命を迎えるか、気づいたときにはもう手遅れか。

本書は、我々が「常識」だと思い込んでいることを力強く否定したうえで、いかに「常識」から離れて考え抜き、そして行動するかを、著者の実体験をもとに解説しています。

最初に「え、そんな方法が通用するの?」という常識を覆す考え方を提示した上で、実際に著者がその方法に従ってたたき出した結果をまじえながら、なぜその方法がうまくいくのか、あるいは、なぜ常識に沿った方法ではうまくいかないのか、が解説されています。

ただ、常識に縛られるなという話をするとすぐに、人と逆のことをやるのが成功の秘訣なのかというように解釈する人がいるが、それは誤解もはなはだしい。逆を行ったり斜めからみたりすることと、成功するかどうかはまるで関係ない。

私がいっているのは、偏見をもたずに現実を直視して、あらゆる可能性の中から、なにが正しいのか、なにが最善なのかを自分の頭で考え見極めろということだ。

そうやって出した結論がほかの人より優れていれば、その人はより多くの利益を手にできる、それがビジネスというゲームの本質なのである。

このような感じで、全編を通して「オレの話を聞け!」といわんばかりの調子で書かれているものの、その言葉には嫌味も過不足もなく、メッセージがストレートに伝わってきます。そして、読み進めながら、

 「このような場合、自分だったらどうするだろうか?」

と考えさせられます。例えば、以下。

この暗黙の仮説、つまり、最初にミニマムモデルをつくってそれを拡大していけばいいという考え方の、いったいどこに問題があるのか。ピンとこない人は、マラソンと100メートル走をイメージしてみるといい。同じ陸上競技であっても100メートルと42.195キロでは、求められる走りの質はまるっきり違う。100メートルを9秒台で走れるからといって、その選手がマラソンでも世界記録を出せるわけではない。当たり前だ、100メートル走を420回続けて走るのがマラソンではないからだ。

ところが、これがビジネスになるとなぜか、100メートルの走り方のまま距離だけ延ばしていけばそれでマラソンも攻略できると、みんな平気で錯覚してしまうのだ。

自分の仕事において、同じようなことをやっていないだろうか? と振り返ります。例えば、質の違う仕事を同列に扱っていないか? など。

あるいは、

成功か失敗かの鍵は、なにをやるのかのWHATではなく、どうやってやるかのHOWにかかっているにきまっている。

それなのに、どうも日本人はいつもどこかに正解があると無意識のうちに思ってしまうらしい。それで、正しいWHATを探すのにばかり時間と労力をかけるのだ。そのくせHOWにはそれほど気を使わず、通り一遍のことしかしなかったりする。その結果、うまくいかなかったりすると、やっぱりあっちを選ぶべきだったとその原因をWHATのせいにして後悔するのである。

「とりあえずやってみる」という姿勢は大切ではあるものの、毎回同じような失敗と後悔を繰り返していないか? そして「やってみたことに価値があるのだから」などと自己満足でデコレートして終わらせていないか? など。


このようにして思い浮かんだ自分なりの答えをそのままにするのがもったいなく感じられ、途中から赤ペンを手に、余白に書き込みながらページを繰っていくことになりました。

ほぼ毎ページに「発見」があり、以下のように折り返しだらけになりました。

 

もはや折り返している意味がなくなっています。。

変化に弱いというのはビジネスマンとして致命的だ。仏教が諸行無常というように、この世はつねに変化し続けている。戦後の60余年だけみても、社会常識の50パーセントは変わったはずだ。実感がないというのなら、それはすでに外的な変化を感知するあなたのセンサーが機能しなくなっているからだと思った方がいい。

(中略)

結局、そういう人は恐竜と同じ運命を辿ることになるだろう。変化を恨みながら滅んでいくしかない。

それが嫌なら若いうちに、さまざまな人に会ったり、いろいろな組織を経験したりして、この世界にはたくさんの価値観があるということを、その身をもって知っておくことだ。言い換えれば、変化への対応力を磨いておくべきだ。これをせず、なまじ成功したりすると、その成功体験を成り立たせた価値観が自分にとって絶対のものになり、そこから外に出られなくなってしまうのである。

今まで当たり前のように使ってきた自分の言葉やとってきた行動がひっくり返され、その再定義の要求がつきつけられるかのようです。あるいは、今までいかに何も考えずに行動を起こしてきたかに気づかされる、とも。

いつの間にか感染してしまった「常識ウィルス」を検知、さらには駆除する上で役に立つ1冊です。




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