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棚ぼたを招き寄せる(かも知れない)ちょっとしたコツ

フリーで仕事をしていますが、営業が常に課題です。今もおつき合いを続けさせていただいているお得意先との始まりを考えると、どれも棚ぼたです。というわけで、今週の「発想七日!」のお題は「棚ぼた経験」。

これまでの棚ぼた営業実績。

1.名刺交換をしてその後1度お茶を飲みながら雑談をした方から、数ヶ月のブランクを置いて突然電話がかかってきて、長期契約の仕事を紹介していただきました(かれこれ5年ほど続いています)。

2.ある分野の仕事がしたいなーと思っていたところ、知り合い経由でその分野の会社の社長を紹介してもらい、1年ほどその会社でどっぷり経験させていただきました(今も関係継続)。

3.あるセミナーで席が隣になった人から話しかけられ、名刺交換。相手のお仕事の話をいろいろお聞きしていました(ただ聞いていただけ)。でもその後こちらからは何もアクションを起こしていなかったのですが、1週間後ぐらいに突然メールが来て継続系の案件を発注いただきました。

がんばって営業した仕事で受注できたものはほとんどありません。むしろがんばればがんばるほど空回りするというか、余計なことをしてしまっているのかも知れません(営業センス・ゼロ)。

だからといって「営業なんてしなくっても仕事はじゃんじゃん来るんだ」と自分を買いかぶってふんぞり返っていると、来ないみたいです。そりゃそうですよね。

じゃ、一体どうすればいいのでしょう?

好ましい偶然を起こす(起-動線) では、偶然がやってくるのを待つのではなく(受身)、自ら偶然を起こす(自発)という考え方が紹介されています。

「偶然」に任せているようで、明確な「意志」を持ち、
「意志」に従っているようで、「偶然」を積極的に生かす。

山登りと波乗り、という対照的な事例を引きながら展開される“偶然論”に「なるほど」と頷かされます。キャリア作りに関する論考ですが、ほかにも当てはまるシーンがありそうです。

厳密に言うと、自ら偶然を起こすことはできないのですが(もし偶然を思い通りに起こせるとしたら、それはもはや偶然ではなくなってしまいますね)、目の前に偶然がやってきた時に間髪入れずにそれに飛び乗れるように、常に自分の心をウォーミングアップしておくこと、それが結果として偶然を起こす(=活かす)ことにつながるのでしょう。

そういえば、「絶対に夢をかなえる方法」という話があります(先日参加した「第6回アカデメディア」でディスカッションワークの課題文として配布されていたものです)。

内海さんはそんなものがあれば是非教えて欲しい、と答えます。それに応えて泉田さんはこう言います。

「ある晴れた日の夜に空を見上げてください。満天の星空です。そして流れ星が流れたらあなたの夢を一気に言い切ってください。それができたらあなたの夢はかないますよ」

それを聞いて内海さんは「またまた子供だましのようなことを・・・」と言いました。すると泉田さんはこう言いました。

「では、内海さん、聞きますがあなたは流れ星がいつ流れるか知っていますか? しかも流れるのは一秒か二秒。いつ起こるかわからないその瞬間に自分の夢を言い切るには、24時間、365日、自分の夢について真剣に考え続けている必要があるのですよ。あなたは今自分の夢を真剣に考え続けていますか?」

また、先月の日本経済新聞に連載されていた「私の履歴書・野村克也」でも以下のようなくだりがありました

私は優勝することだけが監督の仕事ではないと思っている。「プロ野球の世界は結果がすべて」という人もいるが、結果だけを重視すると、どうしても目先のことだけにこだわってしまう。大事なのは、プロセスである。備えあれば憂いなしと言うが、準備の充実なくして、いい結果は得られない。過程に重きを置くからこそ、理を持って戦うことができる。つまり、考え方を重視する野球になるのだ。

偶然にしても流れ星にしてもノムさんにしても、共通するテーマは「予測不可能」です。であれば、いつ来てもいいように準備しておくしかありません。行けるところは行くという努力は当然として、来たものはもれなく拾えるようにしておくことが棚ぼたゲットの秘訣と言えそうです。

特に野村監督の連載では、突然の電話でヤクルトの監督就任を打診されたというエピソードが紹介されているのですが(これぞ棚ぼた!)、そういう話が来るのも、

(1980年に引退して解説者になったときに)誰にも負けない解説をしてやろうと思った。鉛筆を五色ぐらい使って一球ごとに細かくスコアブックを書いたし、様々な分野の本をたくさん読んで勉強した。論評するには一定の判断基準が必要だ。そのためには知識を広げ、自分なりの思想、哲学を持たなければならないと思った。本を読み、気に入った文章や心に響いた文言は赤線を引いてノートに書き写す。そうしたことを基本に「野村の考え」を確立していった。

という不断の努力があったからこそでしょう。「いつかは監督一本で勝負してみたい」と思っていた野村監督ですが、そのためだけに上記の努力をしていたわけではなさそうです。人に擦り寄ることなく、自身の思いを貫き通すこと。その先に棚ぼたがあるような気がします。

何にしても、思い通りにいかず、いろいろと試行錯誤するのが実は仕事の醍醐味なのではないかと思います。すべてが思い通りに運んだら、それはそれでいいかも知れませんが、きっと楽しくはないでしょう。

ドラマでも映画でもトラブルやピンチがあるからこそ、ドラマや映画になるわけで、それを乗り越えていく主人公に自分を重ね合わせて、一緒になってアップ&ダウンを疑似体験するのが楽しいのです。

始めから終わりまで予定通りにコトが運び、無傷のままに黒幕を退治してしまうようなアクション映画はたぶん、いや、絶対に、つまらないでしょう。

このエントリーを書きながらふと思い出したA・ファーブル・リュスの名言を最後にご紹介します。

人生は我々に期待どおりのものをくれるが、それは意外なところで、意外な方法で、意外な時に行なわれる。