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「やらなければならないのに今はやりたくない」葛藤対策
2007/03/13 Tue 23:59 by 大橋 悦夫 このエントリをはてなブックマークに追加 このエントリを含むはてなブックマーク

タグ:『いまやろうと思ってたのに…』 / 先送りを防ぐには? / 山を見上げてため息が漏れたとき

やろうやろうと思いつつ、やれる段になると何かと理由をつけて結局やらずに済ませてしまうことがあります。個人的なことであればともかく、仕事となると事態は深刻です。


『いまやろうと思ってたのに… かならず直る―そのグズな習慣』では、こういう状況を“偽善グズ”と呼んでいます。

グズはゲームです。先に延ばし、無視し、忘れ、やりたくないことは考えないようにするゲームです。そして、多くの人びとが加わるゲームのひとつを、わたしは“偽善グズ”と呼んでいます。この“偽善グズ”におちいるのは、とても重要な仕事があって、それをやる必要がある、どうしてもやらねばならない、やらないと大変困ったことになる、という場合です。

ところが、あなたはそれをやりたくない。

その仕事があまりにも重要なので、ただ先延ばしするわけにはいかない。これといった適当な理由もなく怠けていれば、あなた自身にもほかの人びとにも顔向けができません。そこで、代わりに立派なことをして肝心の仕事を先延ばしにするのです。


“偽善グズ”には様々なバリエーションがあり、その中で「移動マニア」というのが分かりやすかったです。

たとえば、〈移動マニア〉の人びとは仕事をしようとすると、よそで非常に大事な雑用が待っていることを思いだします。あるいは、非常に大事な雑用を探したくてよそへ移動します。抑えがたい衝動に駆られて当面の仕事から離れてしまうのです。

彼らはどこへでも身軽に移動します。コーヒーポット、ファクスマシン、地下室、倉庫、ガレージ、郵便受け。エレベータがそばにあれば、それに乗って上や下に行きます。窓があればそれを開けたり閉めたり。手近に鉛筆があれば、それを削れる場所まで移動。食べ物があれば食べる。食べ物がなければ、食べ物のそばまで移動して食べるでしょう。

こうして客観的に描写されると滑稽なものですが、我が身を振り返ると非常に身につまされもします(同じように感じる方は少なくないのではないでしょうか)。

何でもいいから、とにかく目の前の気の進まない仕事から逃れられることであれば、手当たり次第に取りかかります。普段は決して見ることのない行動力がいかんなく発揮されます。

こういう時というのは、無駄にクリエイティブになりますから、

 「まさかこんなことが仕事の障害になりうるなんて!」

という驚きとともに、意外なアイデアがすぐに現実になります。例えば、普段は決して手に取ることのない、とっくに読み飽きたようなマンガをじっくり読み返し始めたり、おもむろに部屋の掃除を始めたりといった「非常に大事な雑用」がはかどるのです。

とにかく何が“セキュリティホール”になるかは予想できませんから非常に厄介と言えます。

そんなわけで、抜本的な対策は難しいのですが、“セキュリティパッチ”としては以下の2つが考えられます。

 1.言い訳のできない環境に身を移すこと(自分を追い込む)
 2.ピットインになるような“逃げ場”を用意しておくこと

つまり、逃げ場をエサに自分を誘い出す、ということになります。


さて、立ち向かうべきは「やらなければならないのに、今はやりたくない」という葛藤ですが、そもそも葛藤には3つのタイプがあります。

 1.ポジ・ポジ(○○):ラーメンもいいがカレーも捨てがたい
 2.ネガ・ネガ(××):会社に行きたくないが、行かないと家族に不審がられる
 3.ポジ・ネガ(○×):このまま楽しく飲んでいたいが、終電は外したくない

おそらく仕事で起こりがちな葛藤は、2か3でしょう。

特に2の「ネガ・ネガ」に陥ると、“逃げ場”がないためにかなりシリアスな事態になります。「残業はしたくないが、明日の朝までに仕上げないといけない仕事が3つもある」というケースです。

一方、3の「ポジ・ネガ」の場合でも、「プレゼン資料のブラッシュアップにとことん没頭したいが、締め切りの迫ったあまり気の進まない提案書が手つかずのまま放置されている」という苦悩もありえます。こちらは「ネガ・ネガ」よりは発生頻度は高いでしょう。


まず、2の「ネガ・ネガ」の事態は、事前に予測がつくのであれば、確実に回避したいところです。そのためには、いずれかの「ネガ」な仕事をやっつけるために、その仕事しかできない状況に自分を追い込むようにします。例えば、カフェや会議室にこもる、というのも1つの方法です。

次に、3の「ポジ・ネガ」ですが、ここでは「ポジ」な仕事を“逃げ場”として見立てるようにします。例えば、「気の進まない提案書のアウトラインだけ作ったら、プレゼン資料のブラッシュアップ作業に戻る」という具合に「ネガ」な仕事が連続しないようにするわけです。

これは、辛いキムチを食べたら、口直しに甘い出汁巻き玉子を食べてバランスを取るということに似ているかも知れません。辛いものばかり、あるいは甘いものばかりを連続して食べていると飽きてしまい、箸が止まりかねません。

仕事の場合、気の進まない仕事に対する関心が離れがちです。勢い「未着手」のまま放置しておくと「得体の知れない度合い」がアップして、ますますフタをしたくなってしまいます。そこで、少しでも“箸をつけておく”ことで、ある程度の手応えがつかめますので、安心感が得られるでしょう。安心しすぎても油断を呼んでしまいますが、ほどほどの安心感があれば、前に進む勇気は自然と湧いてくるものです。


<関連>
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始めるのが苦痛な仕事対策




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