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「時間が足りない!」と感じた時

By: Alan CleaverCC BY 2.0


「時間が足りない!」と感じる時というのはたいてい夜が多い気がします。

これは、日中は「まだ時間はたっぷりある」と油断しているからでしょう。そしてこれからの季節は特にそうですが、窓から見える抜けるような青い空と無自覚な入道雲というビジュアルは、“うかつさ”を加速させます。日が長くなることもこの傾向をさらに助長するでしょう。

 「そんなに急いでやらなくてもまだ時間はたっぷりあるさ」
 「まぁ、とりあえずゆっくりメールチェックでもしようよ」
 「mixiにも最近ログインしてないから、未読の日記が溜まってるんじゃない?」

などなど甘美な誘惑を挙げていくとキリがありません。そして、言うまでもなくこういった誘惑にいちいちつき合っていたら時間がいくらあっても足りません。

…ということが身にしみるほどわかっているのに、“うかつさ”にヤられていると、つい

 「メールチェックをするぐらいどうってことないだろう」

という、もう1人の自分の“強腰”に寄り切られてしまいます。

そして、そういう時のメールチェックに限って、思わず返事を書きたくなるようなメールが届いていたり、今やらなくてもいいような依頼事項なのにその場で対応してしまったりという、「ちょっとのつもり」がどっぷり浸かり、1時間くらいはあっさりと過ぎていきます。

更に良くないことに、“うかつさ”に酔いしれている間は、この無為なる1時間の浪費に気づくことができません。この1時間の大切さに気づくのはたいてい、もう後がない夜になってからです。

 「あー、あの時の1時間がうらめしい」

というぼやきは夜の風物詩。清少納言に倣うなら、

 ぼやきは、夜。
 月末の頃はさらなり。
 深夜残業もなほ。
 社員の多くは退社して取り残されたる。
 また、ただ一人二人など、
 ほのかに明かりが灯るオフィスもをかし。

という感じでしょうか(原文はこちら)。

さておき、例えば、1日8時間仕事をするとして、8時間分のやるべきタスクをスケジュールに組み込んでいたとします。それぞれのタスクごとにどれぐらいの時間がかかるかを見積もっておき、すべての見積もり時間を合計して8時間を超えないようにします(さもないと、実現不可能なスケジュールになってしまい、日暮れとともにやる気もどっぷり沈みます)。

スケジュールが無事に立てられたとして、実際に作業を開始してからは、常に現時点でエンドが何時になるかを把握し続けるようにしておきます。こうすることで“夜のぼやき”を防ぐことができます。

現時点で「今日の仕事は何時に終わるのか」がわかるため、今が順調なのか遅れ気味なのかを常に把握しながら仕事を進めることができます。これがわかっていれば、飛び込み作業が入ってきても適切な判断を下しやすくなります。受けるのか、断るのか、あるいはいつならできるのか、という回答をすばやく返すことができます。

つまり、「このままいくと18:00終了の予定が20:00になる」という現実を明るいうちからぼやくことなく見通すことができるようになるわけです。

数年前に比べて生活が豊かになった陰で、実は仕事も豊かになっています。「豊か」とは選択肢が豊富にあるという意味で、仕事においては同時に動く仕事の種類と量がたくさんある、という状況を指します。

“貧しかった”時代には頭の中でも十分できていたタスク管理が、豊かになった今ではうまくいかなくなっています。つまり、仕事の“豊かさ”が人間の感覚を超えており、従って人間の“勘”の届かないところにまで広がり続けているのです。

このような状況では、信頼の置ける“外部記憶ツール”にタスク管理を委託するほかありません。

このほど創刊した「ITMedia Biz.ID」は、こういうった外部記憶ツール見つけたり、うまく使いこなすためのヒントを得るのに役立ちそうです。

ちなみに、こちらで「シゴトハック研究所」という連載をさせていただくことになりました。

「時間が足りない!」と感じた時、ちょっと覗いてみるといいかも知れません(ただし、ちょっとだけ、ですよ)。