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既存の仕組みにパラサイトさせる

Gmailでの要返信・要処理管理について、昨日書き忘れたことがありますので補足します。

●「あとで読む」を活用する

最近リリースされたWebサービスですぐに使い始めて非常に重宝しているのが「あとで読む」

詳しい説明はサイトをごらんいただくとして、重宝しているのは以下の理由によります。

 1.現在見ているWebページをきっかけに思いついた「やりたいこと」を後回しにできる
 2.「メールの返信タイム」のルーチンに組み込むことができる

普段から「はてなブックマーク」のブックマークレットを使って気になったWebページはクリップするようにしていますが、クリップしたページは後で見返さなければいずれ忘れてしまいます。

例えば、以下のようなシーンです。

 1.「お、このエントリーは後でブログで取り上げよう」とクリップ
 2.「へー、このソフト後で試してみよう」とクリップ
 3.「この動画おもしろいからみんなにも教えよう。でも、あとにしよう」とクリップ

クリップそのものは非常に手軽にできますので、「まぁ、念のため」とか「とりあえず」という軽い気持ちも手伝って、ついつい多めに収集してしまいます。その結果、上記で言えば3のような、どちらかと言えばクリティカルではないクリップによって、1や2のような「是非やろう!」と思った、タスク性の高いクリップが埋もれてしまうことになります(もちろん、必要になった時に検索すれば良いとは思うのですが、検索するのさえ億劫、ということもあったりなかったり…)。

ブックマークの量が増えてくるとその中から必要な情報を選り分けて探し出す手間が馬鹿にならなくなります。これは、部屋が散らかっていると片付ける気が失せてしまうのに似ています(かくして現実逃避へと誘[いざな]われます…)。必要なモノがそうでないモノの中に埋もれている状態は精神衛生上もあまりよろしくありません。

その結果、オフィスを離脱してカフェに臨時オフィスを設営したりすることになるのですが、これは問題の先送りであって根本的な解決にはなりません。やはり腰を据えて「出直しの法則」を実践する必要があります。

とはいえ、出直しの法則は典型的な「言うは易く行うは難し」なプレミアプランなので、もう少しライトなベーシックプランとして「レガシールーチンにパラサイト(寄生)させる」とでも言うべき、既存の習慣に組み込んでみる、というやり方があります。

今回は、ブックマークにクリップする代わりに、Gmailの「要返信」ラベルのルーチンにパラサイトさせてみます。

といっても、簡単な話で、「あとで読む」から送られてくるメールの件名の先頭には必ず[あとで]がつくので、これを目印にして、Gmail側で「要返信」ラベルを適用するフィルタを設定しておけばOKです。

メールの返信や、まとめて処理したい作業と同じタイミングで一気に処理することができます。「あとで」をクリックする時も、実際に「あとでやる」ための仕組みが稼働しているという安心感が生まれます。かくしてブックマークのうちタスク性の高いものについては「メールの返信タイム」という既存の習慣に組み込むことができました。

●「下書き」を活用する

とは言え、「取り上げよう」「試してみよう」と思っていても、時間がたってしまうとそもそもどういう意図でそう思ったのかを失念してしまうことがあります。そうなるとせっかくフレッシュだった「あとで」も「いつか」に色あせてしまいますので、ブックマークのコメントのようにちょっとしたメモも一緒に保存できると便利です。

そこで、「あとで」で届いたメールに返信するつもりでメモを書いて「保存」します。実際に返信してもいいのですが(返信先は「あとで読む」の登録アドレスになりますので、結局自分に返ってきます)、あえて「保存」します。保存したメールは「下書き」という状態で保持され、送信されるまではずっと編集可能ですので、後から思いついたことや関連情報を追記していくことができます。

さらに、「下書き」状態のメールは「下書き」というフォルダから一覧することもできますので、現在アクティブな待機中のタスクが一望できることにもなります。

余談ですが、気がつくとすぐに30分や1時間を取られてしまうmixi対策としても「あとで」は使えます。例えば、

 1.コメントをつけたくなった日記を読んでしまった
 2.でも今は現実逃避中

という状況では可能であればコメントはつけない方が良いでしょう。なぜなら、つけたら最後、レスがないかと繰り返しアクセスしてしまう自分を抑えるという新たなタスクが発生するからです。理想は、寝る前にコメントして寝て、起きたらレスがある、という状態ですが、理想は理想です。

でも、後回しにすると同じ日記ページに来るのが面倒になります(新着リストから落ちてしまう為)。そこで、コメントをつけたくなったらすかさず「あとで」でキャプチャしておけば、通常のメール処理と同じ流れに組み込むことができます。

「他にもコメントしたいと思っていた日記があったような気がする…」というスッキリしない気分が一掃され、クリアな気持ちで仕事に専念できるようになります(たぶん)。

どんなに便利なツールでも、すでに習慣化されているルーチンの中に組み込むことができなければうまく活用できないものです。新しいツールやサービスを見つけたら、一通り試した上で、どのようにしたら自分のルーチンに違和感なくとけ込ませることができるかを考えてみるのが良さそうですね。

逆にツールやサービスを開発する立場になると、多くの人が習慣としているであろうルーチンに注目し、どのようにしたら彼らのルーチンの中に組み込んでもらえるかという視点でデザインしていくと受け容れてもらいやすくなるはずです。

「あとで読む」がすんなり仕事ルーチンに“パラサイト”できたのもこの視点あってのことだと考えています。