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「リアルタイムロギング」メソッドの拡張

「発想七日!」で「リアルタイムロギング」メソッドという手法が紹介されています。

簡単に生産性を上げる「リアルタイムロギング」メソッド

そんなこんなで、僕がここ1週間ほど試してみて調子がいいのが、「リアルタイムロギング」メソッド。
冒頭の「報告書作成」でいえば、作業を開始するときに

  ■××向け報告書最終化
  後半へのつなぎを考える
  タイムテーブルの再確認

などとロギングしておくだけです。「なんだよそれだけかよ!」という感じです。しかしなんとも情けないことに、たった2時間の作業なのに、しばしばこのログが役に立ってしまうのです。いつの間にか「こだわり」の悪魔に支配されて、オブジェクトの配置揃えなんかを一所懸命やってしまい、ハッと我に返ったとき、この2時間で最低やるべきことを思い出させてくれます。もちろん「中断」に対しても有効。

これをさらに有効に活用するための拡張を考えてみます。

僕自身も、この「『こだわり』の悪魔」とは常に闘っています。ちょっと調べものをしようとWebブラウザを開いて目的のものを探しているうちに、「ついでに」ということでGmailのチェックを始めたり、そこで見つけたり思いついたりしたことに「ちょっとのつもり」で脱線して、だんだんと深みにはまっていって、ふとウィンドウだらけになった画面を見て「何をやろうとしていたんだっけ?」と立ち止まるのです。

そんなこともあり、見つけたり思いついたりしても、紹介されている「リアルタイムロギング」のように予め用意してある、時系列にメモを記録するためのテキストファイルを開いて、箇条書きでチョコチョコっと書き込みます。

いわゆるChangeLog形式です。これについては、「ブログをサクサク書くための4つのコツ」でも触れています。当時(2005年8月)は、テキストファイル管理からTaskPrizeというタスク管理ツールに移行した、と書いていますが、その後やはり開いて何も考えずに気軽に追記・修正ができるテキストファイル管理に戻っていました。

TaskPrizeのように、カテゴリごとに分けてメモやタスクが管理されていれば、後から参照する際にはとても便利ですが、秩序を保ちながら登録・管理する作業がけっこう面倒だったりします。

結局なんでもかんでもTaskPrizeに入れるのではなく、限りなくフローに近い情報はテキストファイルにぱぱっと入れてしまうのが良い、というのが今の結論です。

人の記憶には短期記憶と長期記憶があり、PCのメモリとハードディスクがそれぞれに喩えられるのをよく聞きます。タスク管理についても、短期管理タスクと長期管理タスクの2種類があって、前者はテキストファイル(リアルタイムログ)、後者はタスク管理ツール、という棲み分けがありそうです。

その日のうちに処理し終えてしまうようなタスクのためにわざわざカテゴリを立てて登録するのは面倒ですし、むしろタスク管理ツールのノイズを減らすうえで、あえて登録せずに済ませようとするくらいでちょうど良いと思っています。

そこで。

まず、短期記憶と長期記憶のやっていることを考えてみると、

 1.まず、短期記憶に“メモ”される(電話を掛けるときに手帳を見て電話番号を確認する)
 2.“メモ”を消費する(電話をかける)
 3.今後も必要そうな記憶であれば長期記憶に移送する(暗記する)

2から3へのところでその力を問われるのが秘書とかスパイのような人だと思いますが、普通な人の我々はそれよりも、

 4.外部記憶に記録する(紙に書く、PCに入力する)

ことに頼り切っているのが現状です。

次に、上記のステップをタスク管理に当てはめてみると、

 1.まず、リアルタイムログに“メモ”する(「やらなきゃ!」と思いついたことやアイデア)
 2.“メモ”を消費する(「やらなきゃ!」を実行したり、アイデアをさらに膨らませる)
 3.終わらなかったり、今後も習慣として継続したいことであれば、タスク管理ツールに登録する

という感じになりそうです。重要なのは3のステップを確実に行うこと。これが抜けるとリアルタイムログが膨らむばかりでいつまでたってもタスクが完了しなかったり、習慣のインストールが進まなかったり、ということになります。

そこで、1日の終わりにリアルタイムログを読み返して、必要なものとそうでないものとを選り分け、タスク管理ツールに登録していく、という作業を習慣化するとよいと思います(僕自身も実践しています)。

 「確かメモしたっけなー。検索してみよう。ほら、あった」

ということはよくありますが、結局のところそれはごみ箱を漁るのと一緒で、実現の前段階で足踏みを繰り返すことになってしまいます。「やってもやっても一向に進まない」というストレスの原因になります。

「リアルタイムログ」は本来は一時的な保存にしか使わないものであり、PCの「デスクトップ」に似ています。ここはいろいろなファイルで散らかりがちなので、画面がいっぱいになってやる気が失せてしまわないうちに、毎日少しずつ整理するようにしています。具体的には、毎日1つずつデスクトップからファイル(またはフォルダ)をなくすようにしています(削除するか、適切なフォルダに移動する)。

「リアルタイムログ」も同様で、ちょっとした時間に読み返しながら、それぞれ適切なハコに振り分けていくと、あるべきところに整理されていくのでストレスも減らせます。

タイミングとしてはその日の業務を終えた直後の、翌日のスケジュールを立てている時が最適です。翌日の“レース”に“出馬”予定のタスクたちが集まっている時なので、今日仕入れたばかりの新しいタスクやアイデアをさっそくエントリーさせることができます。すでに予定がfixしてしまった午前中の遅い時間や残務に追われ始める昼下がりなどは、“レース”の真っ最中で“新参者”の入る余地はほとんどないでしょうから、チャンスはやはり業務終了時です。

冒頭のエントリの後半に、

現在の思考の流れをコントロールすることが、取り組んでいる仕事そのものの生産性をコントロールするうえでは重要

という指摘がありますが、やはり“レース”をいかに止めずに進行させるか、がポイントのようです。

<「リアルタイムロギング」メソッドの拡張>

リアルタイムログを毎日読み返して、翌日以降に引き継ぐ。